私たちの身の回りのプラスチックとビスフェノールA <ビスコと先生のイラストレポート>
プラスチックの中にあるという、ビスフェノールAって、なんですか?
ビスフェノールAはプラスチック、ポリカーボネート樹脂[1]やエポキシ樹脂[2]というプラスチックをつくっている化学物質のひとつです。ポリカーボネート樹脂は、CD、サングラス、携帯電話やパソコンなどに、エポキシ樹脂はペンキ(塗料)や電気製品などに使われています。
「プラスチック」はたくさんの化学物質が集まり、がっちり手をつなぎあってできています。どんな化学物質が集まっているか、どんなつなぎ方をしているかで、プラスチックの特徴が変わります。
ビスフェノールAは環境ホルモンとききましたが本当ですか?
当時、たくさんの物質が「環境ホルモンかもしれない?」といわれてきました。ビスフェノールAについては、日本や欧米の専門機関がたくさんの試験と研究を重ねた結果、今では、環境ホルモン物質ではない、ということが確かめられています。
でも、環境ホルモンだ、と言った学者もいたでしょう?
ビスフェノールAは、環境ホルモンの疑いがあるとの研究報告があったため、近年で最も世界的規模で安全性の研究の対象となった物質です。そして、信頼性の高い機関での大規模で沢山の試験の結果、環境ホルモンの疑いがないことが、確認されました。ですので、ポリカーボネート製やエポキシ製のプラスチックにも環境ホルモンの心配はいりません。
同じ生活をおくる兄弟でも、体の特徴が少し違ったり、食べ物も違うものが好きだったり嫌いだったりしますが、その原因になったものがなんだったのか、正確に判定するのはとても難しいことです。
同じように、動物実験でホルモンがどう働いたのか、それとは別の遺伝的な原因か、などを見きわめるのはとても難しいことなのです。そのためにも大規模で信頼性の高い試験が必要なのです。
それなら、絶対に安全ということですか?
どんなモノ(物質)でも、私たちに役立つ性質と、カラダや環境に悪影響を与える性質の両方を持っています。カラダにいいといわれる健康食品なども、とりすぎないよう適度にバランスをとって、正しく使うことが大切です。
[1] ポリカーボネート樹脂 からリンク:ポリカーボネート樹脂技術研究会HP http://www.polycarbo.gr.jp/whatspoly/
[2] エポキシ樹脂 からリンク:エポキシ樹脂工業会HP http://www.epoxy.gr.jp/epoxy/b.html