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2008年5月15日

 「同じ北陸の隣県同士で、田植え時期が違うのはなぜか」と聞かれたことがある。先の大型連休中、長野から安房峠越えで富山に入り金沢まで車を走らせた人からの質問である

富山県内は田植えがまだなのに、石川県では大半の田んぼで終わっていたとの鋭い指摘だった。コメの質を高めるために富山では田植えを連休の後にする運動が進み、その変化が水田風景の違いとなっていたのである

数年前まで、連休中に田植えをするのは両県同じだった。家族総出でやり易いからである。が、時期を遅らすことでより良質米になるとされる。北陸農政局によると富山では農家一丸の運動が進み、一等米率も上がったという

市場でコメの在庫を少なくすることにもつながる。石川でも酒米の田植えは遅くなっているが、全体への広がりはない。先のドライバーが見たのは農作業の背景にある県民性の違いだったのかもしれない

連休をにぎわせた春祭りが一段落し、今度は小松のお旅まつりや伏木曳山祭の出番である。北陸路の水田が薄緑一色に染まる時期を迎えた。よく見れば加越能それぞれの色がある。


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