学校倒壊の背景にずさんな建築事情
今回の中国・四川省の大地震では、多くの小学校や中学校が倒壊しました。その背景には中国のずさんな建築事情があると指摘されています。 およそ350万戸の建物が、倒壊したといわれる今回の地震。これほどの被害が出た理由に、中国でいま、社会問題になっているずさんな建設工法が指摘されています。 「これは明らかに『おから工事』です」(元中国最高位技術責任者、夏一凡氏) 「おから工事」とは、コンクリートなどの建築品質が豆の搾りかす・おからのようで、強度がまったく足りないことを指します。中国で最高位技術者として活躍していた建築家、夏さんは指摘します。 「政治制度の問題です。一党独裁のもと、汚職がひどくて、建築にお金が使われなかったのです」(元中国最高位技術責任者、夏一凡氏) 成都では、陸橋の側面がおよそ500メートルにわたって崩れ落ちています。この陸橋は橋脚こそ倒れていないものの、側面が波打つように崩れ落ちていました。本来は鉄筋であるべきところが、針金程度の太さしかありません。 そして今回、被害が目に付いたのは、多くの子どもたちが今も生き埋めになっている小中学校の倒壊です。 「政府の建物にはこんな材料は使いません。自分たちの命が大切だからです。小中学校は権力のない階層なので、建物がしっかりしていないのです」(元中国最高位技術責任者、夏一凡氏) 夏さんはおから工事の改善を求め、中国政府に要望書を提出。しかし、そのことで迫害を受けたとして、国外に脱出。現在、日本で難民申請しています。 「今後はこのような工事方法を学校に使わないようにすべきです。汚職、賄賂なども監視し、情報の公開も積極的に進めるべき」(元中国最高位技術責任者、夏一凡氏) (14日23:30)
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