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副水利相、「中国のダムは時限爆弾」 - 中国

  • 2007年04月20日 17:03 発信地:中国
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写真は20日、前日のダム決壊で冠水した高台(Gaotai)県の村落。 (c)AFP

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【北京/中国 20日 AFP】新華社通信によると、矯勇(Jiao Yong)副水利相は20日、中国西北部の甘粛(Gansu)省で前日発生したダム決壊事故を受け、「中国各地の数千機のダムの決壊は、時間の問題だ」と語った。

■「欠陥を抱えたダムの安全対策を行う」と宣言

 19日のダム決壊事故では、近隣地区一帯が冠水し、高速道路が崩壊した。また、近郊の4村の住民1700人が避難を余儀なくされた。

 新華社は、「欠陥を抱えたダムは『時限爆弾』のようなものだ。ダム下流地域の住民の生活や資産は深刻な脅威にさらされている」との矯副水利相のコメントを掲載した。

 矯副水利相は、ダム安全・補強対策として、大小問わず中国全土のダムの修理工事を行うと宣言した。期間は3年をめどとしているが、副水利相は「非常に大きな任務となる」と述べている。

 新華社によると、中国全土には8万5000基以上のダムがあるが、そのうち3万基(大規模ダム200基、中規模ダム1600基を含む)に深刻な構造欠陥があるとみられている。

■度重なる河川災害に「技術力」を不安視する声も

 中国の河川は、過去にも度々氾濫し惨事を招いてきた。1975年8月に河南(Henan)省中部を襲った豪雨では、ダム62基が決壊、破壊されるなどした。

 公式統計によると、この災害で、少なくとも2万6000人が死亡、1000万人が深刻な被害を受けたが、この数字は、数年間、隠蔽されたままだった。専門家は、決壊事故のいくつかは技術的な欠陥が原因だとしている。

 一方、中国政府が治水対策を目的に、「世界最大の発電プロジェクト」として揚子江中流に建設した三峡ダムでは、ひび割れが見つかり、中国のダム建設技術への懸念が持ち上がっている。しかし、中国政府は懸念を否定。ひび割れに問題はないとし、補修工事を行っていると説明した。
 
 写真は20日、前日のダム決壊で冠水した高台(Gaotai)県の村落。 (c)AFP

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