【成都(中国四川省)鈴木玲子】大地震で倒壊した中国四川省綿竹市の幼稚園で、女性教諭(21)が背中にセメント板を受けて倒れながら、抱えた園児の命を守ったことが明らかになった。新華社通信が13日、報じた。園児が無事に救い出された時、教諭はすでに息絶えており、園長は「子供の命を救った先生は、永遠に我々の元を去ってしまった」と涙した。
幼稚園には地震発生当時、園児80人余りと教諭5人がおり、園児は昼寝の最中だった。
園舎が倒壊した後、がれきの中から助けを求める園児らの声が聞こえたが、やがてか細くなり、親たちが周囲から懸命に子供たちの名前を呼び続けた。その後、救助隊によって園児約50人と教諭3人の死亡が確認された。
毎日新聞 2008年5月14日 10時29分(最終更新 5月14日 13時33分)