4月に始まった「後期高齢者(長寿)医療制度」に伴い、75歳以上を対象にした人間ドック助成事業を行ってきた市町村の8割超が同事業を終了していることが、厚生労働省の調べで明らかになった。
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同事業では、市町村が運営する国民健康保険組合が主体になり、国保加入者の人間ドック受診費用の一部を補助していた。厚労省によると、2007年度は全国1162市町村が同事業を実施し、このうち723市町村では75歳以上の高齢者も対象にしていた。
しかし、同制度が始まった08年度は、国保からの助成は行われず、582市町村が事業を終了。国保以外の衛生部門などで事業を継続するのは、141市町村にとどまっている。
都道府県別の状況を見ると、50市町村で実施していた北海道が5市町村、63市町村だった埼玉県が6市町村と、それぞれ大幅に減少したのが目立つ。また、大阪府や滋賀県、長崎県などでは、事業を実施する市町村がなくなった。
同制度の廃止を求めている神奈川県保険医協会副理事長の池川明医師は、「今回の問題の背景には、75歳以上が国保から脱退させられ、同制度に移行したことがある。従来の補助は削って当たり前という心理が市町村に働いている」と指摘。「健康の維持や病気の早期発見に欠かせない健診事業の衰退を意味し、同制度の問題点の一つが表れている。国は医療費抑制で同制度を導入したが、病気の発見が遅れれば、それだけ医療費が掛かるので、大きな矛盾」と批判している。
更新:2008/05/14 18:34 キャリアブレイン
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08/01/25配信
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医師の山田規畝子さんは、脳卒中に伴う高次脳機能障害により外科医としての道を絶たれました。しかし医師として[自分にしかできない仕事]も見えてきたようです。