県は13日、医師不足対策として今年度新設した医学生向けの修学資金貸与制度について、応募した12人全員に対して貸与することを決めた。応募が定員(5人程度)を上回り、本来ならば半数以上は貸与を受けられないはずだったが、県議会などから全員貸与を求める要請が出ていた。
同制度は、県内で医師数が足りない産科、小児科を志望する全国の医大生を対象に、最大で入学金100万円、授業料年間300万円を貸与するもの。県内で臨床研修を行い、実際に医師として県内の公的医療機関で貸与期間の1・5倍の期間勤務すれば、返済は免除される。
県が1~2日に実施した面接試験では、応募者全員が県内での一定期間の勤務を希望したという。全員に貸与を認めたことについて、13日に記者会見した福田富一知事は「正直、うれしい悲鳴です」と述べた。今後は同様に不足が見込まれる内科志望の学生も制度の対象に加えることを検討するという。
県は今年度の事業費として2000万円を予定していたが、追加予算として約2085万円を計上する。9月議会に補正予算案として提案する予定。【葛西大博】
毎日新聞 2008年5月14日 地方版