YOMIURI ONLINE
現在位置は
です

経済 科学 ピックアップ

本文です

大証、不動産投資信託などオプション上場

取引は不成立浸透カギ

 大阪証券取引所は12日、不動産投資信託(REIT)と上場投資信託(ETF)を対象にしたオプションを国内の取引所で初めて上場した。「国内市場で先手を打つ」狙いだが、初日は模様眺めで取引が成立せず、いかに投資家に浸透させるかが課題となりそうだ。

(永田毅)

 12日に上場したのは、REIT8銘柄とETF2銘柄のオプションで、いずれも東京証券取引所か大証に上場し、取引高の多い銘柄だ。取引の仕組みは、個別株式のオプションと変わらず、150万円前後で売買されているREITなら、数万円の取得手数料さえ払えば取引できるため、個人投資家にも手が届く。REITやETFを直接売買せずにオプションを購入するなど、投資家にとっては選択肢が広がることになる。

 大証は幅広い商品をそろえることで、個人投資家を呼び込もうとしている。近年、取引単位を小口化した日経225mini(ミニ)のほか、ロンドンの金価格に連動するETFや、中国・上海証券取引所の株価指数連動型のETFなど上場商品を拡充してきた。

 海外では一般に取引されているものが大半を占め、国境を越えた取引所間競争が激しくなる中で、大証は「世界標準」の取引環境づくりを急いでいる。

 しかし、これまで導入した上場商品のうち、個別株のオプション市場は伸び悩み、07年度の取引高は49万368単位と前年度に比べ約1割減となった。

 米国を中心に海外ではオプション取引が増えており、大証は「将来、日本市場でも取引高は伸びる」とみる。ただ、「投資家が複雑な取引を敬遠した面も否めない」(証券関係者)とされ、具体的な対策づくりを迫られている。

オプション

株式やREITなどを将来の決済時に、あらかじめ決められた価格で売買する権利。例えば、保有する株式が6か月後に値下がりすると予想した場合、その時に現在の価格で売れるよう設定した権利を買う。実際に値下がりすれば、権利を行使して値下がり前の価格で売って損失を防ぐ。逆に値上がりした時は、権利を放棄すればいい。

2008年5月13日  読売新聞)

経済 科学 最新記事

一覧
現在位置は
です