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広島原爆の写真…実は関東大震災 仏ルモンド紙「訂正」

2008年05月14日12時03分

 【パリ=飯竹恒一】仏ルモンド紙は13日、1945年の原爆投下直後の広島市内の未公開資料として同紙がこのほど掲載した犠牲者の写真について、「23年の関東大震災直後の東京近辺の写真だったようだ」と伝えた。

写真

原爆投下直後の広島とされる写真を掲載した10日付の仏ルモンド紙。「誰も見たことのない広島」との見出しがついている

 同紙は10日、焼け野原に死体が積み重なった光景など白黒写真2枚を掲載。「犠牲者の写真を禁じた米占領当局の検閲で、こうした写真は公開されなかった」と説明した。

 同紙によると、当時の米兵士(故人)が98年、10年後の公開を条件に米スタンフォード大学フーバー研究所に託した10枚のうちの2枚。兵士は広島周辺の洞窟(どうくつ)で写真のフィルムを発見したという。ルモンド紙は同研究所の許可を得て掲載したという。

 だが、13日の同紙は「極めて疑わしい写真」という大型記事を掲載。10枚のうち少なくとも4枚が関東大震災直後のものとする専門家の指摘などを紹介した。犠牲者の帽子が20年代のものであることや、当時の広島にはなかった煙突が見えていることなどを理由に挙げ、「フーバー研究所が、確認できていない写真を公開するとは想像もしていなかった」と弁明した。

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