2008年5月14日 9時25分更新
妊婦が病院に次々に受け入れを断られる問題が相次いだことから設置が急がれていた県の「総合周産期母子医療センター」が橿原市の県立医科大学附属病院に完成しました。
奈良県は妊婦や新生児に高度な医療を行う「総合周産期母子医療センター」がない全国の3つの県の1つで、妊婦が病院に次々に受け入れを断られる問題が相次いで起きたことから整備が急がれていました。
センターは橿原市の県立医科大学附属病院の産婦人科と小児科の高度な医療の部門を統合して病院内に設けられ今月26日の業務開始を前に報道関係者に公開されました。
センターでは▼妊婦の高度な医療のためのベッドがこれまでの3から6に、▼新生児の集中治療室のベッドが12から21に、それぞれ増やされたほか、▼容態は安定しているものの呼吸の管理などが必要な新生児のためのベッドが新たに10床設けられています。
県立医科大学附属病院では今年度、新人の医師を確保して新生児の集中治療室と産婦人科で医師を合わせて6人増やしセンターでの治療に対応します。
しかし新生児の集中治療室では看護師がまだ20人以上足りず当面はこれまでどおり12のベッドでしか対応できないということで看護師を確保し次第、運用するベッド数を増やしていく予定です。
センターで記者会見した荒井知事は「ほかの診療科からの応援で看護師の不足を補うなど運用を工夫して緊急の患者に対応したい」と話していました。