看護師不足
総合周産期母子医療センターのNICU病床(橿原市の県立医大病院で)=同病院提供
妊婦搬送問題など県内医療の課題解決に向け、県が橿原市の県立医大病院内に整備していた「総合周産期母子医療センター」の工事がほぼ終わり、13日、報道陣に公開された。26日に開設するが、新生児集中治療管理室(NICU)は看護師不足のため、病床21床のうち12床でスタートする。
センターは、病院北西のA病棟4、5階(総面積約3100平方メートル)を改装し、NICUのほか、重篤な母体・胎児を治療する集中治療管理室(MFICU)も、6床に倍増した。手術後に移る後方病床はMFICUに12床新設し、NICUは来年度以降、当初の10床からさらに20床増やす。
医師は現在7人。最終的には10人確保したいという。看護師は79人で、NICUの病床すべてを稼働させるには23人足りないため、既存施設と同数の12床でスタートし、毎月採用試験を行うなどして充足しながら全数稼働を目指す。
2006年8月に大淀町立大淀病院で出産時に妊婦が19病院に転送を断られ、死亡した問題などにより、県内未整備の課題が浮き彫りとなり、県が約5億6800万円かけて整備した。
(2008年5月14日 読売新聞)