福岡市のこども病院・感染症センター(中央区)と市民病院(博多区)の市立2病院のあり方を検討している福岡市病院事業運営審議会(会長=水田祥代・九州大名誉教授)は13日、会合を開いた。医療機能部会と経営形態部会の2つの専門部会が、2病院の経営形態は「非公務員型の地方独立行政法人が最適」などとまとめた最終報告を協議。30日の次回から最終答申案を取りまとめることを申し合わせた。
最終報告は経営形態について、3月末の中間報告でもう1つの選択肢としていた、民間に運営を委ねる指定管理者制度を除外した。指定管理者の確保や変更などで「医療水準が変化するリスクがある」と判断した。
中間報告の中で、市がこども病院を再整備し設ける新病院は(1)小児・周産期医療に特化することが「おおむね妥当」(2)感染症医療は、大学病院や国立病院で担うことが「望ましい」‐という2つの柱は最終報告でも変わらなかった。
会合では「地方独立行政法人にすれば収益が上がると期待できる根拠はない」「病院勤務の医師と開業医が連携する仕組み作りも検討した方がいい」などの意見も出た。
また、市が打ち出している、こども病院の人工島(同市東区)移転をめぐっては「移転すれば、地域の小児医療ネットワークが変わる。市はどんな対策をとるのか」との指摘があり、市側は「近隣の主要な病院に、これまでこども病院に救急搬送されていた患者を受け入れてもらうよう呼び掛けている」と答えた。
=2008/05/14付 西日本新聞朝刊=