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【埼玉】

医師不足が収支に影響 春日部は産科再開で増収見込む

2008年5月14日

 県内十二市町の病院事業の本年度予算で、全体の総収支比率は96・2%となり、昨年度の96・6%から0・4ポイント悪化していることが、県がまとめた県内市町村の本年度公営企業予算概要で分かった。医師不足で時間外診療を中止するなどして診療収入が減る一方、医師確保のため給料を上げるなどしたことが影響しているとみられる。

 県によると、十二事業の予算規模は七百十億二千四百万円(昨年度比1・5%増)。診療収入は減るが高金利で借りた地方債の繰り上げ償還が増加し、全体の予算を押し上げた。

 診療収入などの総収益は六百二十六億三千九百万円(昨年度比0・7%減)、職員給与費や材料費などの総費用は六百五十一億三千万円(同0・3%減)で、総費用が総収益を上回った。

 病床数減や時間外診療の中止で、患者数が昨年度比十四万三千五百九十三人(5%)減少を見込んでいることに伴い、診療収入は同一億九千八百万円(0・4%)少ない五百二十八億六千三百万円。診療報酬の減少は三年連続。

 一方、職員給与費は三百二十億六千五百万円と昨年度より0・5%増加。医師離れを防ぐため給料を上げるなどした影響が大きい。

 赤字を見込むのは七事業で、赤字額が大きい順に(1)草加市(九億三千四百万円)(2)東松山市(五億八千二百万円)(3)秩父市(三億四千五百万円)。草加市は二〇〇四年に移転したことが影響しているという。収支均衡を見込むのは、さいたま、川口、越谷、志木の四市。春日部市は、本年度中に産科の再開を見込むほか高度医療機器の導入で患者増を見込み千四百万円の黒字を想定している。 (萩原誠)

 

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