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【主張】四川大地震 救援通じて日本も備えを

2008.5.14 03:06
このニュースのトピックス主張

 中国南西部の四川省で起きたマグニチュード(M)7・8の大地震による被害の規模が判明しつつある。中国政府によると、死者は1万人以上に達した。

 震源地一帯の交通や通信は寸断されているので、被害は今後さらに拡大する見通しだ。

 被災地では小学校や中学校の校舎がいくつも倒壊している。地震は昼間の発生だったので、生徒たちが建物の下敷きになり、生き埋めになっているという。病院や工場の崩壊も伝えられている。

 余震が続く中、人民解放軍の兵士や警察が救助にあたっているが、世界各国の救助支援が必要な被災状況だ。日本政府も救援派遣の準備を整えた。

 多くの地震を体験し、復旧や防災技術を蓄積している日本としては、今回の被災地の人々に最大限の支援を行いたい。

 食料や医薬品だけでなく、阪神大震災後、国内の大学や研究機関では、狭い隙間(すきま)にも入っていける救助ロボットを開発している。それらも投入すべきである。日本の陸域観測衛星「だいち」も宇宙から、山や盆地の変形などを高精度でとらえる能力を持っている。

 四川省の地震エネルギーは、阪神大震災を起こした地震の約10〜20倍だ。それが地下10キロという浅い場所で発生した。

 ただちに甚大な被害が予想されて不思議はないし、被害報告も北京の中央政府に届いたはずである。にもかかわらず、中国政府が正確な被害規模を公表するまでに、かなりの時間が経過した。もしも、実態を知られたくないという意図がはたらいた瞬間があったとしたら残念だ。

 地震で生き埋めになっている人々の救出には、一刻を争う緊急性がある。各国が正確な情報に接するのが遅れると、助かるはずの子供たちの命も失われてしまう。

 中国政府は、急速な経済成長を誇るだけでなく、人命の尊重や安全を重視する姿勢も優先施策に加えるべきだろう。

 中国は地震国である。1976年に河北省で約24万人の犠牲者がでた唐山地震も経験しているが、地震学はあまり進んでいないのが現実だ。地震の分野では日本が手を貸せる部分が少なくない。

 四川省など、被災地での救助・復旧活動は、日本にとっても、やがてやってくる大地震への心と技術面での備えとなるはずだ。

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