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スカイネットが身体検査で会社ぐるみ不正、機長に病歴口止め

 羽田〜宮崎便などを運航するスカイネットアジア航空(宮崎市)の機長が航空機操縦に必要な身体検査を受けた際、同社の指示で申告すべき病歴を隠していたことが、国土交通省の調査でわかった。身体検査を巡る会社ぐるみの不正は異例で、同省は13日、同社に業務改善勧告を行った。

 同省によると、不正な身体検査が行われたのは、2人の外国人機長。このうち米国人機長(59)は2005年3月に採用後、がんの治療歴を申告したが、運航本部副本部長(当時)は、航空法が定めた身体検査で不合格になることを恐れて口止めを指示。機長は同年7月の検査に合格し、今年4月まで約2000時間の飛行を続けた。

 検査は半年ごとに行われ、昨年の検査で機長が医師に病歴を告白して不合格になると、副本部長は再び口止めし、社内規定で認められていない別の医師の検査を受けさせていた。

 スイス人機長(49)が06年の検査で脳波の異常が確認された際も、同じく社内規定で認められていない医師の診察を受けさせていた。

 不正は同省に寄せられた投書で発覚。現在は2人とも乗務停止になっている。

 国交省で記者会見した藤原民雄社長は「安全を脅かすような事態で責任を感じている」と陳謝した。

2008年5月14日  読売新聞)
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