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今回はよく聞くROEについてです
財務諸表から自分で算出してみたいと思います
決算書のどこを見てどの値を使って求めるのでしょうか?
まずはROEについて簡単に説明します |
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●ROE(株主資本利益率)
ROEとは株主資本を使ってどれだけ利益をあげたかを見るのに用います
株主資本とは貸借対照表の資本の部の合計になります
それからここで使う利益は純利益を使います
純利益とは損益計算書の当期純利益になります
税引き後の利益を使うってことです
株主資本は株主が投資したお金などです
これを使ってどれだけ利益をあげたかになりますので
簡単にいうとお金の利回りみたいなものです
自分のお金を投資するのですから利回りのいい企業に投資したくなりますね
ちなみに私はこのROEの高さを大変重要視してます
投資したものに対して効率よく利益を稼ぎ出してくれるのは魅力的です
ROE = 当期純利益 / 株主資本 × 100
チェックポイント
ROEが高い →効率的に経営が出来ている、株主にとっても魅力的
ROEが低い →効率的な経営が出来ていない |
単純にこの値だけで投資するわけではありませんが
低いよりは高い方がいいに決まってます
この利益がまた株主資本になり、また利益をだしての繰り返しになります
株主資本の増加は株の価値もあがってくので株価の上昇にもつながります
高成長中の企業はROEがとても高いことが多いです
ですがROE50%とかを何十年も続けられるわけはないので
目安は15%〜20%になります
ROE20%を5年も10年も続けてくれるような企業はかなりの優良企業です
ちょっと厄介なのは資本には負債の部というのもあったと思います
まずは下の図をみてください
企業は借金をして経営を行なうことも可能ですので
実際は資本と負債を使用して経営を行ないます
同じ利益を出す企業があった時に左図の企業と右図の企業は
どちらのROEが高いでしょうか?
答えは右です
ROEを出す式の分子が一緒なので分母が少ない方が大きな値になります
ただ右図のような企業でROEが高くても効率的に経営出来ているとは言えません
稼いだ利益が将来の借金の返済に使われるかもしれませんし・・・
これをみるのにROAという指標もありますが次の機会に紹介します
負債は返済義務のある資本ですし
負債が多いのは好ましくないので左図のような企業で高ROEの企業を探しましょう
利益が単純に株主資本の増加に繋がるのは左図の企業です
株主資本比率の高い企業が左図に当たります
注意!
株主資本が少ない(負債が多い)企業は
ROEが高くなるので注意しましょう
負債が多くてROEが高いというのは魅力的ではありません |
それでは最後に実際の企業の値を使って求めてみましょう
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当期利益 |
株主資本 |
H16年3月期 |
344百万円 |
1,527百万円 |
H15年3月期 |
281百万円 |
1,166百万円 |
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まず答えから書いてしまうと、この企業のH16年3月期のROEは25.5%です
ROE = 当期純利益 / 株主資本 × 100ですので
H16年3月期が
344百万 / 1,527百万 × 100 = 22.5%
ん、おかしいです
値が違いますね
前期の株主資本を使うのでしょうか
344百万 / 1,166百万 × 100 = 29.5%
ん、これも違います
私は株を勉強し始めた頃はすごく悩みました・・・
株主資本は期首(前期)と期末(今期)の平均値を使います
株主資本 = (1,166百万+1,527百万) / 2 = 1346.5百万
344百万 / 1346.5百万 × 100 = 25.5%
となります
決算短信に出てくる株主資本利益率(ROE)は
ROE = 当期純利益 / {(前期株主資本+今期株主資本)/2 } × 100
で求めてありますので注意してくださいね
あくまで探すのは
ROEが高く自己資本比率も高い企業です |
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