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2008年5月14日

 天は時に非道な振る舞いに及ぶ。ミャンマーのサイクロン被害に続き、中国・四川大地震も、開発から取り残された人々が多く住む地域を直撃した

大地震発生を知らせる外電の第1報は「重慶で5人死亡」だった。そんなはずはあるまい、と嫌な予感がした。案の定、犠牲者の数は瞬く間に増えた。2日たっても6万人と連絡が取れず、多数の生き埋め情報が飛び交う深刻さである

中国西南部の農村では、戦前の日本に似た貧しい暮らしがまだ続いているという。改革開放経済に取り残された生活苦と雇用不安、加えて役人の不正が絶えない。そこに追い打ちをかける被災である

多くの学校が倒壊し、子どもたちが生き埋めになった。手抜き工事だ、という人々の怒りが報じられた。市庁舎や人民公会堂にばかり金をかける役人や共産党員の仕業である。天災が引き金になった人災である

五輪の聖火リレーにもケチがついた。縮小案の一方で、復興に取り組むシンボルとして、逆に「政治利用」する動きもあるとか。怒りや嘆きが充満する中に、大爆発する危険な火種を投じることになりはしないか。


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