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2008年5月12日中国四川省で発生した巨大地震(暫定)


  中国四川省でM8クラスの巨大地震が発生しました.ここでは,FDSNとGSNの地震波形記録をIRIS-DMCからダウンロードして,地震時の断層面上の滑り分布を求めました.まだ,暫定解であり,ABIC最小解となっていません.そのため,破壊領域の大きさや最大滑り量等は若干変化する可能性があります.
  破壊は震源から約300km北東に伝搬しており,二つのステージに分けることができます.初めのステージでは,主に逆断層のすべりが卓越しており,地震開始から約50秒継続しています.2番目のステージは,地震発生から約60秒後に,震源から約100km北東で開始しており,横ずれ成分のすべりが卓越しています.
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主な解析結果

地震モーメント Mo = 0.9356 x 10**21 Nm (Mw 7.9);
破壊継続時間 T = 120 sec ;
(strike, dip, rake) = (229, 33, 146)
震源: (Lat. = 31.099 Lon. = 103.279, depth= 10 km).
[ここで,震央はUSGSの速報値を使用しました.]
(西村直樹・八木勇治,筑波大)

滑り量分布.星印は震央

震源メカニズム解,震源時間関数,滑り量分布


距離と時間軸に投影した滑り速度分


観測波形(黒線)と理論波形(赤線)の比較


解析に使用した観測点分布
連絡先:yagi-y@geol.tsukuba.ac.jp