2008年5月14日 0時3分更新
大阪市に本社のある不動産管理会社が、マンション建築の届け出をしたあと、届け出よりも高い階のマンションを建てていたことがわかりました。
この会社は「違法とわかっていたが家賃収入がほしくて事実と異なる申請をした」と認めており、大阪市は建築基準法違反の疑いがあるとして調査に乗り出すことになりました。
この会社は、大阪府内で約1200棟の賃貸マンションを管理している、大阪市淀川区東三国の不動産管理会社「ユービー」です。
関係者によりますと、ユービーは大阪市内に所有しているマンションのうち、少なくとも5棟で、大阪市にマンション建築の届け出をしたあと、届け出よりも高い階のマンションを建てていたことがわかりました。
このうち平成3年に完成した福島区の賃貸マンションは、建築前に大阪市に届け出た「建築計画」では9階建となっているのに、実際には11階建となっています。
また、淀川区にある賃貸マンションも平成6年に出された建築計画では12階でしたが、実際には13階建となっています。
いずれも建築が終わった段階で、大阪市に出さなければならない「工事完了届け」を10年以上経った今も提出しておらず、大阪市も実態を把握していませんでした。これについてユービーは「家賃収入が欲しくて階を建て増した。場所によって建てられる高さが決まっている建築基準法に違反するとわかっていたが、事実と異なる申請をした。現在入居されている住民には申し訳ないことをした」と、話しています。
問題が発覚した5つのマンションには、400を超える部屋があり、その多くに入居者がいるということで、一級建築士の石井修二さんは「建物の高さが変わると強度も変わり、横揺れも大きくなる。地震で壊れる恐れもあり、構造計算しなおさなければならない非常に重大な問題だ」と話しています。また、大阪市建築指導部の車谷正好課長は「大阪市への申請と実態が異なるということはやましい点があると考えられる。きちんと調査していきたい」と述べ、建築基準法違反の疑いで調査に乗り出すことを明らかにしました。