直方市感田、郷土史家、小田原早嗣(はやつぐ)さん(64)らの研究グループが、北九州市八幡西区屋敷1にあった黒崎城(現・城山緑地公園)を模型で再現した。展示場所などを検討している。
小田原さんは元工業高教諭で建築を専攻。福岡や筑豊など筑前国の城に興味がわき、構造などの研究を重ねてきた。退職後、国境(くにざかい)に築造された「六端城(ろくはじょう)」の一つ、鷹取城(直方市)の模型も制作している。
黒崎城も六端城で、福岡藩主・黒田長政が1600年の関ケ原の戦い以降、豊前国を治めていた細川藩に対する防備のために造った。幕府の一国一城の令で1615年に廃城になった。
今回、福岡市の研究グループから平面図を借り、石垣が残る現地を実際に歩いた。紙を使って縦110センチ、横90センチの城を半年かけて完成させた。独自に解釈して天守閣と、岬にあったことから港や灯台も併せて作った。
小田原さんは「権力誇示というより、実戦を強く意識した城。福岡藩が当時どういう状況だったのか知ってもらえれば」と話している。【入江直樹】
〔筑豊版〕
毎日新聞 2008年5月13日 地方版