【ジュネーブ=大内佐紀】国連人権理事会で9日、日本を対象とする「普遍的定期審査(UPR)」が開かれ、死刑制度、従軍慰安婦問題などが人権侵害にあたるのではないかとの指摘が各国から相次いだ。
UPRは、国連人権理事会が国連全192加盟国の人権状況を4年をかけて審査するという新しい制度で、今春から導入された。
対日審査では42か国が発言を求め、特に欧州諸国から「最近、死刑執行が増加していることに強い懸念を覚える。死刑は非人道的だ」(ルクセンブルク代表)など、死刑制度の廃止を迫る声が相次いだ。
従軍慰安婦問題については、北朝鮮、フランス、オランダ、韓国の4か国が、日本政府の対応が補償などの面で不十分だと批判した。中国は、日本の戦時中の問題には一切、言及しなかった。
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