« リコールにつき判例の誤り | トップページ

2008年5月13日 (火)

行政手続法について

News & letters 92/行政手続法について

東洋町の田島毅三夫町会議員リコールの署名簿があろう事か無効にされた。
その事件を巡り町選管の事務のあり方が問われた。10数件の違法手続きが指摘されている。
就中、無効であるという選管が下した処分の内容について請求者たちへの説明である。

請求代表者に農業委員が入っていることで無効とするのかどうか住民側には大きな不安があった。
当初選管委員長は無効にしないという説明があった。住民はどういう状況か説明を求めて選管と話し合いをしていた。その席上突然その日5月2日に密かに選管の委員会を開き無効と決定していた、ことを認めた。住民は驚いた。そして当然説明を求め、理由を聞かせてくれと迫った。

しかし、選管委員と書記長らは、説明できない、今は分からない、その法令が見つからない(地自法の本をめくりながら)、などといって説明をしなかった。
行政処分にはその理由をはっきり示すことが義務づけられている。
処分をしたが、わからない、では処分にならない。

行政手続き法はそのために制定されている。住民側は説明を聞く権利がある。長い時間代わる代わる説明を求める住民の声があるが、選管委員長等は答えない。あげくには、私は貝になります、という。長時間深夜にわたって多くの住民が説明を求めたが、今は分からない、という。
農業委員が請求代表者に入っているから無効だ、という。それに対してそれはどんな法律に書いてあるのか教えてくれという。それは最高裁の判例にあるという。最高裁のどこに書いてあるのかと質問する。地自法施行令の116条だという。それは長の解職請求の投票の話ではないか、と反論する、そうするとまたそれは間違いだった、と答える、こんなくだらない問答が延々と続いた。
そうして最後にはほとんどの人が帰ってしまった。

選管が最後になってやおら出してきた無効処分決定書をみると、最高裁がどうのとか農業委員がどうだとかいう口頭で繰り返し説明をしていた内容とはまるで違っていた。町の選挙人名簿と照合すると1124名が全員効力がない者であることがわかった、という書類になっていた。残っていた数人の者がエエー、と悲鳴を上げて驚いた。署名者全員が有権者ではなかったというのである。選管委員長がぼそぼそいうのにはこれは法律の適用が間違ったようだな、とか。しかし、是正するということにはならない、という。

町長はこの説明会に途中から選管に呼ばれて出席した。町長も選管が無効決定したというのをこの夜初めて聞かされたのである。最初のうちの会話は知らないが、選管という行政機関としてのその無責任さと傲慢さ、不誠実さにはあきれるばかりだ。

選管は独立の行政機関だが、しかし、地方自治法によれば町長は全ての行政機関を統括しこれを代表するとなっている。行政委員会の重要な行事や決定事項は報告を受ける権利がある。まして、庁舎を管理する上において、また兼任職員を兼務させたり、特別に出勤させたりする上においてはいち早く報告され協議されなければならない立場にある。
その町長を出し抜いて、重要案件で関係住民に理由も説明できない決定を下したりして騒動を起こすことは許されない。長は役場全体が法令通りに運用され調整されて一体として機能していくように指揮統括する任務を負っている。選管が何をやっても良いというわけにはいかないのである。

町長は改めて行政手続き法の趣旨を庁内に周知させるために以下の通達を発した。ほとんど誰もこの法律を読んでいない。

「gyouseishobuntounituite.pdf」をダウンロード

|

日本国憲法と地方自治」カテゴリの記事

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/408473/20939879

この記事へのトラックバック一覧です: 行政手続法について:

コメント

コメントを書く




コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。