20
目が覚めたのは、ベッドの上だった。
無意識のうちに時計を見ようと手を伸ばしたけれども、手にもどこにも、身体には全然力が入らなかった。
あれ? と思ったところで記憶が繋がった。私はご主人様に連れられてSM部屋を訪れ、そこで責めてもらっていたのだ。
そうやって見てみれば、そこはまだ件のSM部屋だった。そのベッドに、私は毛布を掛けられて横たわっている。
「よう、おはよう」
声と同時に、ギシッとベッドが軋んだ。そちらへ目を向ければ、ベッドの端に腰を下ろしたご主人様が身を乗り出すようにして、私の様子を窺ってきた。
「どうだ、調子は?」
「ちょ、ちょっと……」
ご主人様が、私の頬を指先でくすぐる。そのくすぐったさより、私は自分の情けなさに苦笑していた。ホントに身体に全然力が入らない。ご主人様は、全然平気そうなの……って!
「またっ……と、た、あぅぅ〜〜……」
とっさに跳ね起きようとして、でもそれは気持ちだけで、私は無様にベッドの上でもがいていた。
「何してるんだ、オマエは?」
「ちょっ、いや、あの……ちょ、ちょっと待ってくださいね」
必死になって、手足に動けと命令を送ろうとして、ようやく私はそこに思い至ることができた。
今の私は、一切何の拘束も受けていないということを。
一切。
だから、そう。服も着ていない。
丸裸で、毛布だけを掛けられてベッドに寝ている。ついでに言うと、身体が汗でべたついている感じもしなければ、股間にもそういう感じは残っていない。
「えっとー……ですね」
私は、目のスグ下まで毛布をずり上げて、ご主人様を見上げた。
「うん。どうした?」
「私……何で裸なんですか?」
「そりゃ、オレが服を脱がせたからだ」
「ぅぅぅ……」
いたたまれずに、ズッポリと頭まで毛布に潜り込む。
いや、それ以外にありえないのは分かっていたけれども、改めてそうだと聞かされてしまうと、これはかなり恥ずかしい。
不思議なもので、もっと恥ずかしいことをしたしされたし、服だって、始まる前に脱がされたこともあるし、目の前で脱ぐように命じられたこともあるのに。
それでもやっぱり、脱がされたと思うと堪らなく恥ずかしくって、顔が赤くなって、とてもじゃないけどまともにご主人様を見られない。
「ついでに言うと、タオルで身体を拭いてやったのもオレだ」
「ど、どうしてそんなことまでするんですかぁっ」
私は反射的にご主人様を睨みつけていた。奴隷にあるまじき私の態度を気にした風もなく、ご主人様はシレッと答えてくれた。
「どうしてって言われてもな。そのまま放っておいた方が良かったのか?」
「そうじゃなくて……ぅぅぅ〜〜〜」
私は堪らず、ご主人様からまた顔を背けてしまった。
どうしてこの人はご主人様なのに、こんなにも奴隷である私に優しいんだろう。ご主人様って呼ぶようになっても、それ以前からも、高圧的で強権的な態度を取られた覚えがない。
もっと偉そうにしてくれてもいいのに、私のご主人様はいっつも、優しい顔をして私の恥ずかしがるようなことば、か……り…………。
ああああああああ、しまったぁぁぁぁぁっ!!
また、また思考の罠に掛かってるよ、私っ!!
どうしてこう、墓穴を掘るようなことばっかり考えるのかな、私は。今ので、私を苛めるご主人様の顔を想像しただけで、また濡れてきちゃってる。
ぅぅぅぅ、どこまで変態なんだろう、私って。どうしてこんな簡単にスイッチが入っちゃうんだろう。ついさっき、死ぬほど感じさせられて、気絶までするくらいヨガらされてたのに……。
いやいやいや、悪いのは私じゃない。
だいたい、ご主人様がおかしいんだ。すっごい嬉しそうに私を苛めるくせに、私を喘がせて、イカせて悦んでるくせに、自分は……。
また、私はその事実に気が付いた。
ご主人様は絶対、まだ私の中でイっていない。
「……ご主人様」
私は毛布で身体を隠しながらも、ゆるりと上半身を起こした。ゆっくりと、見えを切るようにしてご主人様を睨む。
それでも涼しい顔をしているご主人様に、私は低い声で言葉を投げた。
「ご主人様、またさっきも、イってくれてないでしょう」
「ん? でもちゃんと口でしてもらっただろ」
「嫌ですっ、ちゃんと私の身体でイってくれなきゃ、嫌です」
キッパリと言い切った私は唇を結ぶと、下から睨み上げるようにしてご主人様の瞳を見据えた。
ご主人様の口元が、ゆっくりと歪んでいった。
「へ〜〜、そう。そんなこと言うんだ?」
「……ぁ、ぁぅ」
とてもとても嬉しそうな、とてもとてもとても意地の悪い笑みを、ご主人様が浮かべる。
私は自分の言葉を速攻で激しく後悔すると同時に、心の奥から来る悦びに震えていた。今度はどんな風に苛めてもらえるんだろうと思うと、ゾクゾクっと身体が震えて、早くもまた溢れそうになってしまっていた。
結局、私も、立派な変態だということなんだ。優しいご主人様に、笑顔でいじめられ、辱められるのが大好きな……。
肉体だけでなく、思考までも蕩けかかっている私に、ご主人様が顔を寄せてくる。
唇が、重なる。
ご主人様の唇はものすごく熱くて、私の身体を芯から溶かしていってしまう。
「んっ……はぅ、ふぅぅっ……」
ご主人様に押し倒されるようにして、私はベッドに横たえられた。キスをしたまま、ご主人様の手が私の被った毛布を剥いでしまう。一糸まとわぬ私の姿を確認しようと、ご主人様が私から身体を離していく。私はとっさに太ももを擦り合わせ、胸と股間を手で覆い隠していた。
「あれ? そういうことをするんだ」
「やっ……ぁ、ぁぁ……」
冷たい言葉でも、怖い口調でもないのに、私の身体はすくみ上がってしまう。叱られた子供のように顔を歪めた私は、おずおずと腕を外していった。
圧迫から解放された乳房が揺れて、その先で硬く尖りきった乳首が震えた。それをご主人様に見られると、まるでソコを舐められたみたいな快感が、キュンっと走り抜けていった。
「んぁぁ……はぁ、ぁぁ、ご主人様ぁ……」
恥ずかしさではなく、そこに篭もった熱のせいで、私は太ももを擦り合わせていた。アソコが疼いて仕方がない。早く、この疼きを鎮めてもらいたい。
「まだまだ。それじゃあ全然足りないな」
「ぅぅ、いやぁ……」
私の声が、涙に滲む。けれども身体はいよいよ熱くなっていって、私はその熱を逃がすのはそこしかないとばかりに、足を軽く開くと、ゆっくりと膝を立てていった。
「んくぅっ……!」
ソコへ、ご主人様の視線が突き刺さる。ビクンと、腰が勝手に動いていた。見られているだけなのに、もうこんなにも気持ちがいい。
私の身体は、どんどん勝手に動いていく。真っ直ぐに立った膝が、今度は胸の方に向かって倒れてくる。私は腕を伸ばして膝の裏を抱えると、そのままグッと膝を抱き寄せた。
膝が、太ももが、胸の丸みを潰す。お尻が軽く浮き上がり、私はソコを完全にさらけ出してしまった。
「あはああぁぁん……っ」
自分でもそうと分かるほど艶めかしい声が漏れ、汗ばみ始めていた太ももがピクっと震える。
「ご主人様ぁ……私、私……」
自分から恥ずかしい姿を取るのは、いくらやっても慣れようがない。顔がすごく熱くて、熱が出た時のように瞳が潤む。その顔を見られるのがイヤで、私は顔を背けるけれど、ご主人様のことは欲しくて堪らなくって。
私は流し目を送るようにして、ご主人様を見上げていた。
「もっと恥ずかしい姿を、見せてもらおうかな」
おねだりをする私に首を振って見せたご主人様は、膝を抱えていた私の右手を取ると、そこに何か棒のような物を握らせた。
少しだけ顔を上げて確認して、私は大きく目を見開いた。
私のお尻の中で暴れ回ったバイブ。
柄を握らされた手が、じっとりと汗をかき始める。
「できるよな?」
「こ……このままで、ですか?」
「もちろん」
「分かり……ました……」
声を震わせる私の心臓は、壊れるのではないかと思うくらいに高鳴っていた。それこそ、鼓動のせいで胸が震えてるんじゃないだろうかというくらい。
それだけ熱い血液が身体中を駆け回っているはずなのに、体温はスッと低くなるような気がして。脇の下とかは冷たくって。
ただ、お尻だけが、快感の予兆にズキズキするくらいに熱く疼いていた。
「そ、それでは……あの……」
ご主人様が頷くのを見てから、私はそっと右手を顔の前に持っていった。足は、両足は太ももの下の方を左腕で抱えて、ソコは丸見えにしたまま、膝を左肩に寄せていく。
恥ずかしい場所も、胸も、顔も、すべてをご主人様にさらけ出したまま、私はようやくバイブに向き合う。
それはお尻で感じていたとおり、小球を連ねたタイプのバイブだった。
長さは20cmはあると思う。一番先と根元との球はかなり大きくなっていて、後は不規則に球の大きさが変わっている。
これでさっき、私はご主人様にお尻を弄られて……今からは自分でしなくちゃいけない。
そう思うだけでお尻がまたムズムズしてきて、私はギュッと爪が立つほどに自分の太ももを抱き締めていた。
「ふぅ、はぁ、あぁ……んっ、くふぅ……」
ご主人様が洗ってくれていたからだろうか、幸いにもそういう匂いはしなかった。けれども、さっきまでそれが私のお尻の中に入っていたのは紛れもない事実で、その事実が私をどうしようもなく追い詰めていく。
「あはぁ……ん、ちゅっ……れろ、れろろぉ……」
そっと唇を寄せる。特にこれといって不快な味もしなかったので、思い切って舌を這わせていく。小球の連なったバイブのデコボコした凹凸を、舌で確認するようにゆっくりと。何度も繰り返し、根元から先へ向かって舌で舐めていく。
見る見るうちに、バイブが私の唾液で濡れ光っていく。
その形状はアレとは全然違うけれども、やっぱり口でするうちに、そういう気持ちになっていってしまう。つまりだから、奉仕、ということに。
これで、お尻をまた犯してもらえるんだと思うと、自然に熱が篭もる。さすがに頭から咥え込みはしなかったけれども、横から齧り付くようにして咥えると、ハーモニカでも吹くみたいに唇を滑らせていく。
「はぶっ、ん、んふぅ、じゅるるっ」
溢れそうになる唾液をすすると、ひどくイヤらしい音がした。それでもすすり切れなかった唾液がバイブを伝い、柄を握る私の手を汚していく。
手がぬめり、ヌチャヌチャと音が立つ。それが妙に、その時の音に似て聞こえてしまう。
「じゅれろっ……ん、はふ、ふぅ、ん……ご主人様ぁ……」
身体の奥から、衝動が込み上げてくる。お尻が、早く咥えさせろと熱く脈打っている。
コレをお尻に入れれば、この凹凸でお尻を抉れば、どれだけの快感が得られるんだろう。
それに何より、そんなはしたない姿をご主人様に見られたりしたら……。
切なさに胸の奥がキュッとなる。おののいた身体は、けれど蜜を零して、それがお尻にまで垂れていってしまった。
水滴に撫でられ、ただでさえ敏感になっているお尻の穴が、またキュッと引き窄められた。
それを見ていたご主人様が、笑って言った。
「そんなに欲しいのか? じゃあ、いいよ。入れてみな」
「あはぁっ、ああ、はい、はいっ」
私は喜び勇んで、その命令に従った。
最後にもう一度バイブを一舐めしてから、逆手に持ちかえる。本当はそのまま一気に突き入れたかったけれども、私ははやる気持ちをどうにか抑え、ゆっくりとその先端をお尻の穴にあてがった。
込み上げてきた唾を飲み込み、ご主人様を見上げる。ご主人様は、入れていいぞと瞳で答えてくれた。
私は、バイブを持つ手に力を込めた。
「んぅっ……く、くふぅぅぅっ……ん、んはっ、はぁぁぁぁんっ」
最大直径が、私のお尻の穴を大きく広げる。かすかな苦痛と共にそれを乗り越えると、ズルっとその球がお尻の粘膜を擦りたてながら潜り込んできた。
ようやく得られた快感に、私は身をすくませて耐えようとした。けれども、そんな努力は頭の中でしか、それも一瞬しか実らなかった。
私の肉体は快感を求め、続けざまに小球を二つ三つとお尻に捻じ込んでしまう。お尻の穴を抉られて、私は堪らずアゴを突き上げて喘いでいた。
「くはあっ……あ、ああ、ダメ、止まらないっ……ん、あああっ、あぐっ、くぅ、ん、んああああっ!」
ボコボコボコっと、立て続けに私のお尻は小球を呑み込んでいく。無理やりお尻をこじ開けられる、お腹の奥にバイブが侵入してくる感触に、鳥肌が立つほどの快感が走る。
私の理性も結局、それを求める気持ちを、抑えることができなくなっていった。
「んぐぅっ、うんっ……ん、くっ、くうぅぅぅっ!」
根元にある、一番大きな球がお尻に当たって、一瞬、挿入がそこで止まる。けれども私はさらに腕に力を入れて、最後の球もお尻の中へ捻じ込んでいった。
お尻の穴が、また大きくこじ開けられて。私は痛みと、犯される悦びにおののきながら、その球を呑み込んだ。
そうやって長いバイブが全部、お尻に収まりきると、押し出されるみたいに、ピュッと愛液が前から吹き零れていた。
私は、お尻にバイブを挿入しただけで、イってしまっていた。
「あはぁ、ぁぁ……ご主人様ぁ……あぁ、ん、ふぅっはぁ、ああぁ……んくっ」
お尻にバイブを咥えた私は、モゾモゾと身を揺する。犬のように喘いでいないと、身体の中から熱を追い出せなくなって燃えてしまいそう。
アソコがヒクッと痙攣して、また蜜が溢れていく。バイブを呑み込んで、キュッと引き窄まったお尻の穴が、また愛液でヌラヌラとコーティングされていく。
身体が疼いて、堪らない。お尻は、こんな程度じゃ全然満足できないし、アソコはもっと強く疼いていて、とにかくこの私の中にある空洞を埋め尽くしてもらいたかった。
ご主人様の、熱くて硬い、オチ○チンで……。
「んっ……くふぅ、は、ぁぁ、ご主人様……」
私は早くトドメを刺して欲しいとご主人様におねだりする。けれど、ご主人様はまだ満足していない。私に、もっと恥ずかしい姿を見せるように促してくる。
「あぁぁ……ん、ぅぅ」
こんなにもご主人様が欲しいのに、またお預け。もどかしさに、胸が詰まる。
けれど、命令には逆らえない。私にできるのは、恨みがましい目線を投げるのが精一杯。私は膝をより深く抱えると、左手の小指を噛みながらご主人様を睨むように見上げる。
そうして、バイブのスイッチを入れた。
「はぐぅっ、う、ん、んはぁっ……!」
私の意地など、呆気なく崩れ去った。
お尻の、お腹の中でバイブが低い唸り声を上げる。お尻の穴を、内側から震わせられる。その振動は一番弱いはずなのに、お尻から全身へと快感を駆け巡らせていく。
「あはああっ、んふ、くっ、くくぅぅっ」
私の中で、快感の水位があっという間に限界値を超えようとしていく。それを示すように、お腹の奥がまたキュンってなって、愛液が溢れていく。ダメだっと強く念じていないと、もう簡単に流されてしまいそうで。
そんな私を、辛いほどの快感に身悶える私を、ご主人様はニヤニヤ笑って見下ろしていた。
ゾクリと、背筋をまた別種の快感が、苛められる悦びが駆け抜けていった。
もっと、もっともっと、見て欲しい……。私の恥ずかしい、情けなくよがる姿を……。
「ふはっ、はあ、ああ、ご主人、様っ……ん、あ、ああ、うぐうぅっ」
私はバイブを握り締めると、グルグルと掻き回すように動かした。お尻を押し広げられる痛みに、思わず呻いてしまう。
お尻の穴が広がって、赤い粘膜が捲り返されるのが、瞬間的に赤黒い空洞ができるのが分かる。その穴を、ご主人様に見つめられているのも。
「ご主人様ぁ……あ、んっ、ふあああ、あ、ああっ……」
私は意を決して、バイブを引き抜きにかかる。
一番大きな球が、入口でつかえる。それは当然、振動していて、ダイレクトに密着したお尻の穴を震わせてくれる。
そのままでも、腰まで溶けそうな快感。
「んくっ……ふ、は、あはああっ!」
ゆっくりと、震える球が私のお尻を内側から押し開いていく。それは本当に、それをする時に似た、解放感みたいなのがあって。
おまけに、振動の快感もあって。
私はわざとお尻を窄めて抵抗し、より深く振動を味わおうとしていた。そこの筋肉が震わされ、どうにもくすぐったく、むず痒く、堪らなくなっていく。もっと、もっとこの感触を味わっていたい。
けれども、ついに手の力が勝り、私は卵を産み落とすみたいに、お尻の中から球を吐き出していた。
「あはあっ、ああ、は、んあああああああっ!」
後はもう、手の力は要らなかった。
それこそ、それをする時のように、最初の一山を超えてしまえば、後は勢いでズルズルっと出ていってしまう。
我慢していたのを解き放つような爽快感。
しかも小球の凹凸が、出て行くときにお尻の穴を抉ってきて、その度に電気が流れるみたいに快感が走る。
私はビクビクッと身体を震わせて、結局、最後に残った大きな球まで産み落としてしまっていた。
「はっ、はあ、あ、あああっ……んふ、くっ、くぅぅんっ……!」
すべてを引きずり出され、私の唾液以外の液体でぬとつくバイブが、ギィギィと唸っていた。
大きなものが通過したせいで、私のお尻の穴がなんだか少し、開きっぱなしになっているような感覚があった。
ふと見れば、ご主人様が口元に手をやって笑っていた。急激な居たたまれなさに襲われ、私はブルッと身を震わせる。そうすると、私のお尻はようやく閉じかかってくれた。
「ん? どうした、もう終わりなのか?」
「あ……い、いえ、そんな。あの、それでは、続きを……うっく、ん、はうっ!」
私は慌てて、閉じようとするお尻の穴にまたバイブをあてがった。半開きになっていたせいで、直接粘膜に触れてしまい、つい、足先が跳ねるほどに震えてしまっていた。
それでも私はそのまま、バイブの先端にある大きな球を、力を込めて捻じ込んだ。閉じかかっていたお尻の穴は簡単に開いて、パクッとばかりに球を食べてしまう。
瞬間、お尻に広がる異物感、重さ、そして粘膜を震わせる振動。
お尻を、本当は違う場所を犯されている。それも、自分で操るバイブに。恥辱と背徳に満ちた快感が、背筋をゾクゾクっと走り抜けていった。
「あはぁ、あぁ、はぁ……んっ、く、ふあっ……あ、ああ、ん、あはぁっ……くく、くっ、ふぅぅっ……!」
細かく振動するバイブを、私はゆっくりとまた呑み込みはじめた。小球を一つ呑み込んでは半分戻し、そしてまた一つ呑んで、また戻す。
お尻の穴が、開いては閉じ、閉じては開く。震えるバイブに、同じようにそこを震わせられながら。
「んはっ、はあぁ……ああ、ご主人様、ご主人様ぁ……あはぁっ、ん、はああ!」
一つ呑み込むたびに、お腹の中に溜まっていく感じがする。お尻の穴と、お腹の奥と、一本のバイブで両方を犯されているみたい。
さっきみたいに一気に引き抜くのもいいけれど、こうしてバイブを埋めていくのも、堪らなく気持ち良い。
もう、もうお尻がどうしようもないくらい、熱く疼いてた。
「はぐうぅっ……んは、は、はぁ、あぁぁ……」
ゆっくりと時間を掛け、それでも私はついに、最後に残された大きな球まで呑み込んでしまった。長いバイブを一本丸ごと咥え込んだ重さに、大きく息を吐く。
けれども、私の身体はそれ以上休もうとしない。休息よりも、快感を求めて動き出していた。
「あっ、あ、あああぁ……」
私はバイブの柄をシッカリ握ると、ゆっくりと引き抜きにかかった。ジワジワと、震える球がお尻の穴を押し広げ、姿を見せてくる。
少しずつ、少しずつお尻の穴が広がっていく。そこのシワが広がり、その粘膜が振動させられているのもご主人様の目に止まっているはず。
けれど私は、その途中でバイブを引くのを止めてしまった。
代わりにお尻の穴がキュッと窄まり、半分ほど出かかっていた球を、チュルッとまた呑み込んでしまった。
「んああっ! ……は、はぁ、んぅぅっ……」
お尻の粘膜を擦り震わされる快感に、私は大きく喘いで、ギュッと身を縮めていた。
これは、想像以上に……いい。
「は、はぁ、あ、んんっ……くうぅぅっ!」
同じように球を半分ほど引き出し、また手を離す。今度は、ツルッと球が吐き出され、その排泄に似た感覚に、やはり私は喘いでしまう。
「あはああっ、あ、ああっ! ん、んはっ、はうっ、く、んああああ!」
同じことを数回繰り返すと、いよいよもう堪らなくなってしまった。身体が熱くなり、お尻の谷間にさえ汗を浮かばせる。心臓は、自分でお尻を辱める興奮に高鳴りつづける。私の身体は全身で、もっとお尻を苛めてと訴えていた。
私はバイブを握り締めると、根元付近の球を何度も激しく出し入れさせ始めた。
グチュッズチュッと、お尻の奥から汁が溢れ出して卑猥な音を立てる。そこに、もうどうしようもないほど熱くなったアソコから溢れ出た愛液が流れてきて、私の股間はかなりヒドイ状況になっていく。
けれども、手が止まらない。
気持ち良すぎて、お尻の穴でのオナニーを止められない。
柄まで愛液でグチャグチャで、動かすたびに卑猥な音がしているのに、そんな音、聞きたくもないのに、手が止まってくれない。
「あはああああっ、ああ、んっ、はああっ……ご主人様ぁっ!」
快感に翻弄されながら、私は涙を湛えた瞳でご主人様を見上げる。
「見て、見てください……ご主人様っ、私のオマ○コっ……もうこんなに濡れてっ……ん、あ、あううっ!」
膝を抱えていた手をずらし、開きかかっていたソコを、横にグッと広げていく。ドプッとばかりに、入口に溜まっていた愛液が吹き零れる。
「は、早くご主人様のオチ……チ、チ○ポ……入れて、くださいぃっ」
潤んだ視界の中で、ご主人様が笑うのが分かった。その視線が、私のはしたなく濡れ捩れているアソコへ注がれるのも。
「はうっ! んくうぅぅぅぅっ!」
ビクビクッと、私の身体は勝手に躍り上がっていた。
瞬間的に、アソコの快感が、お尻のそれを上回っていた。
ヒクヒクと、そこが捩れるように動いていた。
私は、つくづく奴隷なんだと思い知らされた。お尻を弄るのは気持ち良いけど、すごく気持ち良いけど、でももうそれだけじゃ足りない。だって、ご主人様にしてもらう方が、全然いいから。
見てもらっただけで、こんなに感じて。それなら、ご主人様のを咥え込んだら、お尻にバイブを入れたまま、ご主人様のチ○ポを嵌めてもらったら、私はどうなってしまうんだろう。
知りたい、知りたい、知りたい。
お尻でバイブを小刻みに出し入れさせてる程度じゃ、もう全然足りなくなっていた。
もっと、もっと激しく出し入れさせたい。
もっともっと、もっと欲しい。
アソコも、お尻も、もっと……!
「うっ、ふぅ、くぅぅっ……ん、はぁ、あぁ……ご主人様の、熱くて硬いチ○ポっ……ど、どうか私のオマ○コで、ご主人様のチ○ポ……扱いて、くださいぃぃっ」
信じられないほど卑猥な言葉を口走る私の身体に、痙攣めいた震えが襲い掛かってきた。恥辱は即、快感となって、ビクンッと全身を大きく跳ね上がらせていた。
それを抑え込もうと反射的に身体に力を入れると、逆にジワッと、愛液が広がっていくような感触がして。
自分の言葉で、私はイってしまっていた。
その間も、お尻を弄る手は止まらない。まだ、こんな程度じゃイキたりない。もっと恥ずかしいことをしたい、されたいと、私の身体は訴え続けている。
「んはっ、はあ、ああっ、ご主人様ぁ、お願い、しますっ……!」
「分かった分かった。そこまで言われたら、こっちもそれなりの対応をしてやらないとな」
涙を零す私に、やっとご主人様が動いてくれた。
バイブを操る私の手を掴み、出し入れを止めさせる。あれほど私の意思を無視していた肉体が、ご主人様の命令には呆気なく従ってしまう。
ご主人様はバイブを根元まで埋めてしまうと、私の上体を引き起こして、その背後に回った。ご主人様にもたれる形になった私は、肩越しに振り仰いだ。するとご主人様は、私の汗ばんだ頬にキスをしてくれた。
あの、すごく意地の悪い笑顔を浮かべて。
「ちょっとキツイかもしれないけど、覚悟してろよ」
「あぁ……は、はいっ」
ご主人様の言葉は、笑みは、私の期待を煽ってくれた。息が弾むほど、待ち遠しくなってしまう。それがどんなに恥ずかしいことであっても。
おかげで私は、お尻に埋まったままのバイブが、その振動を強くしたような気さえしていた。
そんな私の目の前に、ご主人様は革ベルトのようなものを持ってきてくれた。
「これで拘束してやるからな」
「……っ……は、はい。お願い、します」
唾を飲み込んだ私の中で、ただ犯されたいと思っていたのとは、また違う場所のスイッチが入れられた。
ゾワッと、肌に鳥肌が立つ。心臓は相変わらずうるさいくらいなのに、キュゥッと絞られるような感触があった。
早く、欲しい。
縛られて、犯されたい。
その切ないまでの情欲に、私はまた、涙を零していた。
ご主人様の温かなキスが、私の涙を掬い取る。
身体は、恥辱の快感に溢れきっていて。そこへそんな、慈しみの雫を落とされて、私の心も身体も、いよいよご主人様だけのものになっていく。
「ほら、手をこっちに」
「あぁ、はい……」
言われるままに手を伸ばして、革ベルトの間に腕を通していく。
それは、革のベルトで出来たカップのないブラのようなものだった。両腕を通すと、ご主人様がキュッと軽く引き絞る。胸の上下が圧迫されただけで、その胸の奥がキュンっと疼いてしまう。
「じゃあ、両手を後ろに」
「はぁ……ぁぁ、は、はい……」
ブラ部分が固定され、私の胸はくびり出される。けれどもまだ終わりではないようで、私はいっそうの期待に震えながら、両手を背中に回す。
ご主人様の手が、私の手首を掴む。そこにまた、革ベルトが食い込んでくる。
「んくぅっ……ん、はぁ、あ……」
右手に続いて、左手も。そしてその両手がクロスするようにして、背中にあるブラのホックの辺りに固定された。
ご主人様に促されて腕を動かしてみたが、抜けそうな気配はまったくない。それどころか、ブラに接続されたせいなのだろう、無理に動かすと胸の方が痛んだ。
「ご主人、様ぁ……」
ご主人様の腕に抱かれ、革ベルトという拘束を得て、私の身体はトロトロに溶けていってしまう。それこそ、この革ベルトがなかったら、形を無くしてしまうくらいに。
「まだ待てって。これで終わりじゃないからな」
「は、はい、ごめんなさい……あの、お願いします」
まだ、拘束してもらえる。
胸と手を戒められただけで興奮しきった私の身体を、ご主人様はひとまずベッドに横たえた。背中で括られた腕が下敷きになったけれど、そんなに痛くない。
息苦しいのは、これは興奮のせいだと分かる。
バクバクバクバク、耳元に心臓があるみたい。
ご主人様は笑みを浮かべると、私の耳に掛かった髪をはらい、汗で額や頬に張り付いていた髪も整えてくれた。
その優しい愛撫は、さっきのキスのように、発情しきった私の身体に染みていく。痴情と愛情とが、相反することなく私の身体の中で溶けていく。
「ご主人様、ご主人様、ご主人様ぁぁ……っ」
私は泣きながら、愛して止まないご主人様へ呼びかける。ご主人様への愛しさで溺れてしまいそうになる。
こんな、普通に考えたら絶対におかしいのに。
私のご主人様は意地悪だし、ずるいし、何より私をいじめるのが大好きな人なのに。
なのに、その人のことが好きで好きで堪らない。
こんな、恥ずかしい拘束具で括られて、恥ずかしい格好をさせられている今なのに、愛しさに涙が止められない。
「泣き虫だな、オマエって」
「ぅぅぅ、ごめんなさいぃ……」
ご主人様に愉快そうに笑われても、事実なので反論できない。情けなさに居たたまれなくて、身を揉むようにすすり泣く私に、ご主人様は「しょうがないな」というみたいに寄り添ってくれた。
現金なもので、スッとご主人様のそれが脇腹を軽くかすめただけで、私はビックリして泣くのを止めてしまっていた。代わりに、早くもたぎるような興奮がぶり返してくる。
「言っとくけどな?」
「は、はい……」
添い寝をするようになったご主人様が、私の涙を拭ってくれた。私は緊張に小さく息を呑み、ご主人様を見上げる。
「もう泣いたって、止めてやらないからな」
「あぁぁ……はい、はいっ……お願い、しますっ」
私は何度もコクコクと頷いていた。ご主人様はニッと笑うと、軽く頬に口づけてから身体を起こした。
頬に、熱い疼きが残る。
触れられるところは、もうどこでも気持ち良くなってしまう私に、ご主人様の大きな手がベルトを這わせていく。私の足に、太ももの下の方に、太めのベルトをグルグルと巻きつけていく。
そしてそのフックになっていた先端がグッと引っ張られ、私は引かれるままに足を曲げていく。フックは、革ベルトのブラの、丁度、ストラップとカップの接合部辺りに繋がれた。私は、右足を曲げて外に開いたような状態にされていた。もちろん、右足に続いて左足も。
「あぁ、こんな格好……」
こうして私は両手両足を拘束され、しかもM字開脚の姿勢を取らされることとなった。
強制的に開かれた股間。そこへ目を向ければ、お尻に刺さったままのバイブの柄が覗いていた。
「やぁぁ、ご主人様ぁ」
「いやじゃないだろ?」
バイブの柄まで、細かく振動しているのが分かって、私はつい顔を背けてしまう。けれど、ご主人様はそれを許してくれない。私の足の間に座ったご主人様は、グイッと私の腰を引き上げ、股間を高く持ち上げる。
「うっ、あ、あ、ぅぅぅ……」
さらけ出された股間。びしょ濡れになって張り付いたアソコの毛。グショグショになって、何かはみ出したみたいにも見える私のアソコ。そして、バイブが突き刺さったままのお尻。
見るも卑猥な惨状を、私はイチイチ確認することを強いられる。
「しかし実際、こんなにも濡れるものなんだな。ベッドにも染みを作ってあるし」
「いやぁぁ、だって、だって……!」
「だってじゃないだろう。シッカリ見てろよ?」
「あ、ああっ……ご主人、様ぁ」
ギシリと、ベッドが軋んだ。
膝立ちになったご主人様が、私の膝の裏を通して腕を伸ばして、私に覆い被さってくる。私の股間はいよいよ高く突き上げられてしまい、そして、そこに熱い塊が触れてきた。
「はっ、はあああっ! あ、ああ、あっ……」
目を見開いて、そこを凝視してしまう。
私のソコはすごく熱いはずなのに、それよりも熱いご主人様のチ○ポが、ズズッと押し込まれてきた。
「んはあっ……あ、あはっ、はっ、ああ、ん、くぅぅぅっ!」
視覚と触覚がリンクする。私のアソコを広げながら、ご主人様のオチ○チンがが突き刺さってくる。その様を目で見ながら、私は自分のお腹の中が広げられていくのを感じてしまっていた。
「うはあっ、ん、んぐっ、くぅっ、んああっ……」
一枚の膜を通して、私の中でご主人様とバイブが擦り合う。ゴリッゴリッと音さえ立てながら、ご主人様が私の奥へ突き進んでくる。
私の身体に空けられた空洞が、欠けていた部分が、ご主人様で埋め尽くされていく。そして――。
「……っはううぅぅっ!」
奥の奥まで埋め尽くされ、その最後の行き止まりの壁を叩かれ、アゴが跳ね上がった。後頭部をベッドに強く擦り付けて頭を振る。せっかく整えてもらった髪が、またすぐ乱れていく。
「ふっ、ふっ、ふぅっ……んふぅ、は、はぁぁぁぁっ……」
私の身体の中にある、私でないもの。その圧倒的な存在感に、異様なまでの熱に、私は浅い呼吸をせわしなく繰り返す。背中に括られて両手をギュゥッと握り締めて、私はその衝撃をやり過ごそうとしていた。
そんな私の意識を置き去りに、肉体は早くもご主人様のモノに順応していってしまう。
ご主人様をすっぽりと咥え込んだ、包み込んだその中がヒクッと動いた。恐る恐る確かめるように、チョンッと触れる。
それでも、ご主人様は動かない。
すると私のそこは、もう遠慮は要らないとばかりに、キュゥッと引き絞られていった。ご主人様のものを強く締め上げ、抱き締める。
「うあっ、あ、あああっ……ご主人様ぁっ」
アソコが勝手に脈打ち、波打ち、ご主人様を触れ撫でる。先ほどの挿入の光景が目蓋に浮かび、中に埋まったその形さえ正確に思い描かれてきてしまう。
それの、ほんの些細な震えさえ、ダイレクトに私の脳に届いてしまう。
「はっ、はああっ、あ、あうっ……ん、んはぁっ」
まだ動かれもしないのに、入れられただけなのに、もうイってしまいそう。
私はおののくように、強張った身体を震わせる。
そこへ、ご主人様の声が降ってきた。
「いい感じに練れてきたな。じゃあ、動くぞ」
「え……? あっ……んっ、くはああっ!」
いきなり、激しい衝撃が襲い掛かってきた。埋め尽くしていたモノが引き抜かれたかと思った瞬間には、また奥を思い切り叩き上げられていた。
突き上げる衝撃に口を大きく開けて喘ぐ。抑え込まれた身体が、反射的に伸び上がろうとする。それをまた捻じ伏せるように圧し掛かられ、私の奥の奥まで串刺しにされる。
「うぐぅっ! うんっ、ん、んああっ……んっ、んはっ、はうぅっ……く、くふぅっ、あ、ああ、こんなっ、ダメ、ダメぇぇっ、ご主人様ぁぁぁっ!」
お尻にはバイブが入ったままで、そのせいでいつもより狭くなっている私の中を、ご主人様はいつも以上に荒々しい動きで貫いてくる。
快感というにはあまりに強すぎて、私は無我夢中でもがくのだけれども、私の抵抗はすべて、私を戒める革のベルトに押し込まれてしまう。足掻けば足掻くほどきつくベルトが食い込み、肌に赤いあざを残す。
「あっ、あうぅっ、うん、んっ、んくぅぅぅっ……! う、あ、んっ、んはああああっ!」
私はそれでも、せめて声だけでも我慢しようと歯を食い縛るのだけれども、ご主人様に奥を小突かれるだけで、呆気なく屈してしまう。
「二穴攻めは、さすがにキツイな。うん?」
「んあっ、あ、はっ、はああっ……はいっ、お腹、苦しく、てっ……あ、やっ、うあぁぁっ!」
ズンッと、ご主人様がまた奥深く貫いてきた。そのままグリグリと腰を揺すられて、私の奥が、子宮口が捏ね回される。
「あっ、はっ、はっ、はあああぁっ……ご主人、様っ、そ、そこ、そんなっ……!」
ただでさえ、両方を埋め尽くされて苦しいのに……!
ご主人様の亀頭が私の子宮口を擦るたび、ビカビカっと電気が走って身体が跳ねようとする。どれだけ歯を食い縛っても、拳を強く握りこんでも、触れられないところを触れられる、この快感の前では何の役にも立ってくれない。
「苦しいよな? でも、それがいいんだろ?」
息苦しさに目を見開き、空気を求めて口を喘がせる私を、これは……そう、嗜虐の悦びに浸るような、いっそ悪辣な笑顔を浮かべたご主人様が見下ろしてくる。
その瞳は、私の心の底まで見透かしているようで。
ううん。
私の心をキュッと捕らえて、本当は握り潰すくらい強く握れるのに、それをわざと、捕らえた獲物をいたぶるように優しく優しく撫でているようで。
完全に生殺与奪を握られた私は、そのあまりの恍惚感に、それだけで果ててしまいそうで……。
「どうした? うん?」
「うっ、うあっ! あっ、ああ、は、はい……苦しいの、気持ち、い……ですっ……」
ご主人様が腰を揺すると、ゾゾっと、まるで傷口を撫でられでもしたみたいな感じがして、私は全身に鳥肌を立てながら、何度もコクコクと頷いていた。
ご主人様の笑みが、深くなる。
私の心臓は、いよいよすくみ上がっていく。
それを楽しむように、ご主人様はゆっくりと腰を回す。ベットリと愛液に濡れた、私とご主人様の恥毛が擦れ合う。アソコが掻き回されて、ニチャニュチャと恥ずかしい音を立てる。
「あ、あああ……あ、はっ、はあっ、あ……んっく、くふ、ふ、ふぅぅ……」
「よしよし、よく言えたな。じゃあ、これはご褒美」
ご主人様の笑顔は、絶壁の上に立つ私から、さらに足場を削り取っていくようで。今にも転落しそうな不安に身を縮める私に、ご主人様はゆっくりと手を伸ばしてきて……。
「ふあっ、あ、あ、あああああああああああああっ! ……んは、は、はあああああっ、いや、や、やあああっ、ダメええええ! いや、あ、あぐぅぅぅぅぅぅっ!」
崖から突き落とされた私は、自分ではどうすることも出来ない、その落ちていく感覚に、ただただ泣き叫んだ。
手足の感覚が消えて、ふわっと一瞬、身体が本当に浮くような感じがして、私は呆気なくイカされていた。
けれど、それでバイブが止まるわけはなかった。
そう。ご主人様は、私のお尻に刺さったバイブのスイッチを切り替えていた。
「ぐふっ……ん、くっ、くぅぅぅぅんっ! ん、んぅっ、はっ、はあああああああ!」
今まで軽く振動するだけだったものが、より強く、私のお腹の中で震えだす。お尻の穴からお腹の奥まで揺さぶられる。その暴れるバイブは、皮膜越しにご主人様のモノと擦れ合い、前と後ろ、両方から私の身体を責め苛む。
とっくに快感の許容量を超えていた私は、涙と涎と、鼻水さえ零して泣いていた。
けれど、そういったことにさえ気を回す余裕がない。
「いやああああああっ! や、やあああっ、死ぬっ、死んじゃうぅぅぅっ!」
休みなく動き続けるバイブに、私は狂ったように暴れ回った。でももちろん、私の身体が拘束されていたから、自分を痛めつける結果にしかならない。
革ベルトが激しく軋み、汗でドロドロになった肌の上を滑る。でも、それだけ。緩むことは決してなく、私の身体に残るあざを濃くしていくだけ。
私はでも、その痛みにすがることで最後の理性を繋ぎとめていた。
「あはああああ! いやあ、や、やあああ! ごひゅ、ごひゅひんはまっ……たふけて、くらさいぃぃいっっ!」
呂律さえ怪しくなった舌で、必死にご主人様にすがる。
けれど、そこにあったのは。
ご主人様の、優しい優しい優しい笑顔で。
それで。。。
「きゃふっ………………!」
私の世界から、音が消えた。
音どころか、感触さえ消えていて。
何故か私は、ベッドの上の自分を、ベッドの脇から覗き込んでいて。
あれ? と思った瞬間、世界が戻ってきて、追い越していった。
「あぐぅぅぅぅぅぅっ! ……うん、んはっ、はっ、はああああ! な、なにっ? こんな、私っ……バラバラになって……あ、あああああ、もうやめてっ、許してええええええええええ!」
私が感じていたのは、本当に快感だったのかと思うくらい、それは怖く感じられて。ノドを引き攣らせ、絶叫していた。
そんな私を、ご主人様は力強く、激しく犯してくる。
熱い熱い熱いソレが、私のアソコをグリュッと潜り抜け、その奥に控える子宮口を撃ち抜く。
私の感覚のすべてが、まるでソコと直結されたようだった。
ドロドロになったそこが、前後から挟まれ、扱かれてグチャグチャになったそこが、それでも自分から蠢き、捩れ、ご主人様のモノにしがみついていくのが分かる。
それをまた荒々しい動きで振りほどかれると、パシッと弾丸で撃ち抜かれたような衝撃が走ってきて。
そうしてご主人様は、また私の子宮口を抉る。
「んぐぅぅぅぅっ! んはっ、はあああっ、もうダメ、許してっ、ご主人様ぁぁぁぁぁぁぁあっ!」
何度、イカされ続けているのか、もう分からない。
ベッドなんてとっくに、私の汗と涙と涎と、そして愛液とでグチャグチャだった。
その卑猥を満たしたプールの中で、私はもう本当に溺れようとしていた。
「あううっ、うん、んっ、んはああっ……ごひゅ、ごひゅひん、さまっ……わらし、らめえ、ほんろ、も、もうっ……!」
「うん? もう限界なのか?」
「ひゃはああ! ああ、はい、はいぃぃっ!」
ご主人様が腰を回転させると、疲れ切ったはずの私の肉体が、それでも快感を受け入れてしまう。
プシュッと、愛液が今さらまだ吹き零れていく。
「それじゃあ、もっとちゃんと言うことがあるだろ?」
「あああああ、はい、はい、はいっ……どうか中に、中に出してくださいっ……! ご主人様の精液、オマ○コにいっぱい、飲ませてくださいぃっ!」
叫んだ私は、精液をねだるみたいに、キュゥッとアソコを収縮させていた。
どこにそんな余力があったのかと思うけれども、ご主人様のことを思うと、カラカラのベタベタになったノドに、唾さえ湧いてきた。
「そんなに言うなら、飲ませてやろうかなっ」
「あがああっ! あうっ、うんっ、んああっ……ありが、とう、ございますぅぅっ……!」
身体を起こしたご主人様は、右手で私の胸を思い切り強く握り締めると、いっそう激しく犯してきてくれた。
限界の針を何度となく振り切った私の中に、またも大量の快感が、急速に蓄積されていく。
私は歓喜の悲鳴を上げて、ご主人様を迎え入れていた。
「……んひぃぃぃっ! ひあっ、ああああ、来て、ひてええっ、ご主人様ぁぁっ!」
お尻が、アソコがキュゥッと引き絞られる。中の粘膜もギュッギュッとリズミカルに収縮して、ご主人様を奥へ奥へと呑み込んでいく。
それほどまで、私はご主人様が欲しかった。
「ここに来て、またずいぶん頑張るじゃないか。そんなに、精液が欲しかったのか?」
「あはああああ、はひ、はひいぃっ……ずっと、ずっと欲しかったれすっ……らからあああっ!」
私は全身を力ませ、ご主人様を締め付ける。
狭く狭く狭くなっていくソコを、ご主人様の熱い熱い熱いモノがこじ開けていく。
「よぅしっ……いくぞ、全部出してやるからなっ」
「はい、はいっ、出してえええ! ご主人様の、精液っ……全部中に、オマ○コに出してええええ!」
卑語までまき散らしながら、私はご主人様にすがる。
グンッと、ご主人様が圧し掛かってきた。
あっと思った瞬間には、私もまた、怒涛のような快感にもみくちゃにされていた。
「あああああああああああ! 来てる、来てるぅぅぅっ、ご主人様の精液、ビクビクッてええええええ! ああああ、もう、ご主人様っ、ご主人様ああああああああああっ!」
ドクンッドクンッと私の中でご主人様が脈打つ。
熱い精液が噴き上がり、私の子宮口を撃つ。
けれど残念なことに、それ以上を感じ取る前に、私は今度こそ完全に失神してしまっていたのだった。
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