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震度7の建築経済学

姉歯物件並み小中高が1万1659棟

 さらに、心配なデータが続く。Is値0.3未満の建物が1万1659棟、Is値0.3以上~0.4未満が9301棟に達することだ。

 Is値は「構造耐震指標」の略。Is値が0.3未満だと、「大規模な地震に対して倒壊または崩壊する危険性が高い」。Is値が0.3以上~0.6未満だと、「地震の震動および衝撃に対して倒壊または崩壊する危険性がある」。Is値0.6以上だと、「地震に対して倒壊または崩壊する危険性が低い」。

 

 耐震強度偽装事件では、建築基準法が定める耐震強度の50%以下の物件を、「震度5強の地震で倒壊する恐れがある」として、マンションの住民に対して自主退去を勧告した。Is値0.3とは、その耐震強度50%のことだ。

 つまり、生徒が自主退去を勧告されそうな、姉歯物件並みの公立の小中高が1万1659棟もあるのだ。実に恐るべき話である。

 「今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率」

(資料、地震調査委員会)

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