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三菱UFJ銀:システム障害 原因は単純ミス(1)カタカナと漢字、違い見落とし

三菱東京UFJ銀行のシステム障害で取引ができなくなっていることを知らせるセブン銀行のATMの画面=東京都千代田区丸の内で2008年5月12日午後0時2分、北村隆夫撮影
三菱東京UFJ銀行のシステム障害で取引ができなくなっていることを知らせるセブン銀行のATMの画面=東京都千代田区丸の内で2008年5月12日午後0時2分、北村隆夫撮影

 三菱東京UFJ銀行が「最大の経営課題」と位置付けて臨んだ世界最大のシステム統合が初日からつまずいた。単純なプログラムミスが原因で、セブン銀行などの提携先で約2万件の取引ができなくなった。障害を起こした取引をリハーサルの対象としなかったことが、ミスの見落としを招いた。7月には、難易度がより高いとされる旧UFJ銀の新システム移行を控えるが、障害再発の懸念はぬぐえていない。【斉藤望、大場伸也】

 ◇テストせず

 「他行のATM(現金自動受払機)経由の取引は盲点だった。想像力が及ばず、リハーサル項目からも抜け落ちていた」。三菱東京UFJ銀の幹部は統合作業の不備を認めた。

 障害の原因は、通帳未記帳の件数が10件以上ある顧客に、記帳を促すメッセージを送る際の文字コードが、セブン銀は「カタカナ」なのに、三菱東京UFJ銀の新システムは「漢字」だったという「初歩的なプログラムミス」(業界関係者)。ゆうちょ銀などの障害も誤ったデータ信号の送信が原因だった。

 三菱東京UFJ銀は06年1月の合併以来、統合完了時期を当初予定より1年延期し、2年の準備期間と総額4000億円をかけて「準備には万全を尽くした」(永易(ながやす)克典頭取)はずだった。今年2月からは全支店でATMを休止し新システムにつなぐリハーサルを3回繰り返した。セブン銀のATMもリハーサル対象ではあったが、障害を起こした取引はテストしなかった。

 しかし、01年4月に開業したセブン銀は、コンビニでATMが24時間・365日使える利便性が受け、取引件数は01年度の1400万件から07年度には4億9800万件に急増した。三菱東京UFJ銀のシステム統合の対象のATMは約3万6000台だが、旧東京三菱は約3000台、旧UFJは約6000台で、残る約2万7000台の大半はコンビニなどだ。

 急速に普及するコンビニATMの取引をすべてリハーサル対象に含めなかった三菱東京UFJの対応は「お粗末」とのそしりを免れそうにない。東京・丸の内のATM障害の現場に駆けつけたセブン銀の安斎隆社長は「準備不足」と批判した。

2008年5月13日

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