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おかあさん:授かりたい タレント・向井亜紀さん/1

 ◇妊娠直後「がん告知」

 タレントの向井亜紀(43)が、土曜朝の生番組「朝だ!生です旅サラダ」(朝日放送)に出演し始めて15年が過ぎた。一時は多数のレギュラー番組を抱えていた。現在は大阪発のこの番組だけ。「代理出産挑戦を機に芸能事務所をやめた。普通なら番組を降ろされます。だから、今の私があるのは、番組スタッフのおかげなんです」。そう言って顔をほころばせた。

 「子宮頸部(けいぶ)のがんです」。00年12月19日、向井は東京都内で会見を開き、自らの病名を明らかにする。週刊誌に入院の事実や病名が載り、発売翌日に急きょ設定したのだった。妊娠の喜びもつかの間、がんに侵され、そして度重なる手術で子宮を全摘出。悩んだ末に、代理出産を決意したことも明らかにした。排卵はあるが、子宮がない向井に妊娠、出産は不可能だ。代理出産とは、そんな女性に代わり、受精卵を移植された別の女性が妊娠・出産する行為。タレントのイメージにこだわった事務所は、向井の代理出産公表に反対だった。しかし意志を通した。

 「どうもどうも」と言いながら、背中をかがめて会見場に入った。実は、体を真っすぐに伸ばすことができなかった。毅然(きぜん)と対応したものの、「頭の中は真っ白で何を話したのか、質問にどう答えたのか覚えていないんです」と振り返る。

 元格闘家の高田延彦(46)と結婚し、00年9月に妊娠が分かった。大学で生物を学び、「遺伝子は命の設計図。好きな人との遺伝子を新しい世代に残したいと夢見ていた」と言う。

 ところが1週間後、医師から電話が入る。「大至急連絡をください」。妊婦全員が子宮がん検診を行う病院で、嫌な予感はあった。「がん検診で引っかかっちゃいましたか?」。わざと明るい声で聞いた。

 主治医は、子宮がんであることを告知した。「妊娠して毎日がバラ色だった直後に『がんです』と言われても、現実を受け入れることができませんでした」(敬称略)=つづく

    ◇

 4回にわたり、代理出産で双子を授かった向井亜紀さんを描きます。【福沢光一】

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 連載への感想や意見をお寄せください。〒530-8251(住所不要)毎日新聞「おかあさん」係(ファクス06・6346・8204)。メールはokaasan@mbx.mainichi.co.jp

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 ■人物略歴

 ◇むかい・あき

 1964年埼玉県大宮市(現・さいたま市)生まれ。日本女子大在学中の83年、ラジオ番組「ミスDJリクエストパレード」(文化放送)で芸能界デビュー。テレビ番組や写真集などで活躍し、94年、高田延彦さんと結婚した。

毎日新聞 2008年5月13日 大阪朝刊

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