市内2公立病院の合併問題で豊後大野市は10日、「地域医療を考えるシンポジウム」を市総合文化センター「エイトピアおおの」で開催した。約250人が今後の公立病院の在り方を考えた。
県立三重、公立おがた総合の両病院の統合を県が市に打診している。地元には統合への不安が強く、公立病院の役割や在り方を考えるために企画した。
第1部では、杵築市立山香病院の坂本啓二院長が基調講演。「公立病院の使命は地域に必要な医療を効率的・持続的に行うことや民間が取り組まない小児医療や介護、福祉などの不採算部門を埋めること」などと公立病院の役割を強調した。
第2部のパネルディスカッションは、医師、元看護師、社会福祉士、病院利用者がそれぞれの立場から意見を語った。公立おがた総合病院の医師の拝郷敦彦さんが、「時間外診療が多く、本来の患者に時間が割けない」、県立三重病院の元看護師長の佐保嘉代子さんは、「看護師不足も問題。市内2公立病院の20%を占める臨時職員が1年未満で辞めていく。人材確保が課題」と話すなど、医療現場での人材不足を訴えた。【深津誠】
毎日新聞 2008年5月13日 地方版