素敵な里親さんが見付かるまで、武蔵野のとある家に下宿する動物たちのお話。
きりしまのこと その1
2007年11月02日 (金) | 編集 |
今日はきりしまのその後について書きたいと思います。きりしまとの本気の闘いや汚い写真(でも現実のこと)も出てきますので、苦手な方は「続き」はクリックせず今すぐブラウザを閉じ、お弁当を作ってピクニックに行かれることをオススメします。

今だから言えますが、きりしまが来てからというもの毎日が闘いでした。
きりしまの顔は可愛いと思いますが、その行動や行為のせいで心底「可愛い」と思えたことは今までほとんどなかった、と言っても過言ではありません。犬猫がたくさんいてケアに少し疲れていたせいもあるかもしれませんが、とにかく毎日我慢・我慢・我慢の日々でした。ですので冷静にここできりしまのことを書くこともできませんでした。

まず、きりしまには破壊癖がありました。サークルが置かれているリビングから人が出て行くとしばらくして「バーン!ドーン!ガシャーン!」という音が聞こえてきます。きりしまがサークルに体当たりしたり屋根に頭突きする音です。そして床に敷かれたペットシーツもすべて破いてオシッコを撒き散らします。階下に降りるとサークルは壊れ、写真のような状態になっているのが日常でした。これを日に何度も何度も片付けるのです。それが毎日続いていました。

DSCF0814.jpg


さらにきりしまには脱走癖がありました。サークルを破壊した後に脱走するのです。脱走する決定的証拠写真がコレです。その短い足で一体どうやって登ったのか、高さ1m幅10cmほどの窓枠を伝って、左にあるテレビに乗って脱走を図ります。

DSCF0818.jpg

そして、脱走した後は・・・・


コレです。部屋中に糞尿を撒き散らし、いたるところにマーキングをしました。ウンチを踏んで体に擦りつけ、壁にも塗ったようなウンチ・ウンチ・ウンチ。床にも踏んだウンチの足跡・足跡・足跡。リビングのドアを開けると猛烈な異臭。保護活動をしている以上、こういうことで怒りたくはないし、また、怒るべきではないのかもしれませんが、内心猛烈に怒りを感じている自分を認めざるを得ませんでした。わたしは神でも仏でもない不完全な人間ですので、正直に言えば、こういうときは本当に憎々しく思いました。そしてついにその怒りが爆発するときが来ました。

DSCF0823.jpg


ある日、いつものようにサークル内を掃除していたときのことです。四つん這いになってサークル内に入り、糞尿をふき取り、シーツを取替えていました。すると左の腿がとても温かくなったのです。見ると、ズボンから黄色い液体が足を伝って落ちてきました。きりしまにオシッコをかけられたのです。足を上げてわざとかけられたのです。わたしは「ふぅ」と一息つきました。また、自分の中で何かが「ブチ」と切れるのも感じました。そしてそれからきりしまを猛烈に怒りました。怒ったというレベルではなかったと思います。それは、やるかやられるか、一対一の闘いでした。きりしまも牙をむいたし、わたしも殴りました。わたしの手には傷とあざができました。でもこの今を逃してしまっては、家で暮らせる犬にはなれない。と本能的に思い、男と男の闘い(?)のような感じで喧嘩をしました。暴力はいけない。そんなことは分かりきっていましたが、本気で闘いました。

そもそもきりしまは、人間の意図することがまったく分からない犬でした。でもそれは無理もありません。このきりしまの紹介文を見て頂ければ、それが分かると思います。

『劣悪な繁殖場で飼育管理に怠りにより生まれたコーギー × ビーグルmixのきりしま。
この間、雨風も防げない場所で人と接する機会もなく過ごし
他の犬からもずっと苛められてきたので
非常に臆病な子で、ずっとブルブル震えています。』

うちに来たときも恐怖から脱糞・失禁をし、信じられないくらいに震えていました。まともに歩けないくらいに。人間にほとんど会ったことのないきりしまがどうして人間の意図を理解できるでしょう?ですので、うちに来てからは毎日頭を撫で静かにスキンシップを図り、人間が友好的な存在であることを教えてきました。

きりしまも徐々に人に慣れ、性格にも変化が見られるようになりました。
しかしそれは、こちらの期待する変化とは違うものでした。

(続く・・・)
コメント
この記事へのコメント
エレカノ 様
こんにちは、初めまして!
コメントありがとうございます〜。
エレカノ様もビーグルを!なかなか大変そうな感じですね。
きりしまも怒られることがなぜなのかをまだ分かっていない様子なので、反省することもありません。
でもわたしも「時間をかければなんとかなる・・・きっと、多分、おそらく・・・」という希望的観測をもってきりしまには接しています。
本当に”忍耐あるのみ!”という感じもしますが、きっとこれは誰かがやらなければならないことなのですよね。
エレカノ様もきっとご心労が多いと思いますが、お互いに頑張りましょう!!!
わたしも応援していますよ!
ぜひまたココにも遊びにいらしてくださいね〜。
2007/11/11(日) 18:32:31 | URL | yaezo #-[ 編集]
私も泣きました。
はじめまして。この間の里親会(多摩)に愛犬連れておじゃましました。きりしまさんの事をみてちょっと前の我が家の光景を思いだしました。我が家にも諸事情でやってきた、ビーグル犬がいます。見た目はかわいいのですが、トイレを覚えず、叱ってもめげず、反省しない。(今でも反省したフリをする・・・)どうしたら、分かってくれるのか、考えたり、引き取った事を後悔したこともありました。いきついた事は時間をかけて焦らずにということでした。もともと、ビーグルは訓練性の低い犬なので、根気と根性で私も毎日闘ってます。苦労が多いと思いますが、気長にきりしまさんと向き合って下さい。陰ながら応援してます。
2007/11/10(土) 00:02:28 | URL | エレカノ #PefwKnF.[ 編集]
chappyken 様
初めまして、こんにちは。
コメントありがとうございます。

きりしまの大変さは今までの保護活動の中でも特殊です。こんなに大変な犬は今まで(多分)いませんでした。
しかし、里親さんのお宅に「いい子」になってお届けされるまでには、どんな犬にもそれなりの紆余曲折、ドラマがあります。
わたし(たち)は好きで保護活動をやっているので、どんな犬が来ても文句を言ったりしてはいけないのですが(と言いつつ、家ではぶつぶつ言っていますが(笑))、今回は事実を書いてみました。全体的に見れば保護活動は素敵なことだと思いますが、決して素敵なことばかりではない、ということです。

でも、この活動を続けられるのも、里親さんになって下さる方々がいるお陰です。里親さんがいなければ、どんなに頑張っても犬猫を救うことはできません。
chappykenさんも、里親さんになられたときには家族が増えた喜びを教えてくださいね♪
ぜひ、またこのブログにも遊びにいらしてください。
お待ちしています〜。
2007/11/03(土) 02:18:27 | URL | yaezo #-[ 編集]
祈っています。
初めまして。
私は9月頃にきりしまの様なワンコが沢山いて、保護活動に奔走されている方々の存在を知りました。
ネット上で色々な団体の活動を目にしました。
私も力になれたら…と思い里親になろうと思っています。
でも、里親の元に来る前には、一時預かりさんがこんなにも大変な思いをするなんて、気づきませんでした。
どうか、きりしまに想いが届きます様に祈っています。
2007/11/03(土) 00:58:12 | URL | chappyken #-[ 編集]
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