中国国営通信新華社は13日、中国・四川大地震による死者は四川省だけで1万人近くに上ったと伝えた。地震発生から一夜明けた同日午前、温家宝首相が震源地に隣接する都江堰市から陣頭指揮を執るなど被災地の救援活動に全力を挙げた。震源地の四川省アバ・チベット族チャン族自治州ブン川(ぶんせん)県につながる道路は大きく破壊されて車両が通れないなど、各地で交通網が寸断、救援は難航している。
各地の死傷者や被害状況の全体像はまだ明らかになっておらず、今後時間の経過に伴って被害が拡大する見通しだ。
新華社は「(1976年に河北省で起きた)唐山地震以来、最悪の地震」としている。四川省綿陽市では7000人以上が死亡し、被害が集中。同市では電気、ガス、水道が止まったまま復旧していない。
通信社の中国新聞社電によると、被害の最も大きかったとみられる綿陽市北川県から逃げてきた被災者の一人は「北川県は(地震で建物が崩れ)真っ平らになってしまった」と述べた。新華社によると、四川省内では12日夜、各地で起きたがけ崩れなどの影響で旅客、貨物合わせて計180の列車が立ち往生するなど交通網が寸断された。
民政省は13日、被災地支援のため2億元(約30億円)の緊急支出を決定。5000のテントなどの救援物資を四川省に配給することを決めた。衛生省は10余りの緊急医療隊を組織、地震局は216人から成る救援隊を結成し現地に派遣した。
中央テレビによると、温首相は都江堰市内で「万難を排して一刻も早く被災地に入ってほしい。1秒早ければ1人の人命を救える」と救援隊員に指示した。(共同)
毎日新聞 2008年5月13日 8時13分(最終更新 5月13日 11時03分)