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学校数の倍以上ある「裏サイト」、どうする?[教育動向] 渡辺敦司 2008/05/12 10:00:00
中学校や高校がその教育を紹介する公式サイトとは別に、生徒などが書き込む「学校裏サイト」(学校非公式サイト)が今年3月現在で少なくとも3万8,260件あることが、文部科学省の初めての調査でわかりました。全国に1万6,300校ある中・高校数(中等教育学校を含む)の、実に2.3倍です。一部のサイトについて内容を詳しく調べると、その半数に「キモイ」「うざい」など生徒を中傷する書き込みがあったといいます。いじめの温床ともなりかねない学校裏サイトをどうするのか、大人の側にも早急な対応が求められています。 見つかった学校裏サイトのうち、「2ちゃんねる」をはじめとした電子掲示板に立てられた「スレッド型」が88%を占めていました。一方、特定の学校名を掲げて独立したサイトを立ち上げる「特定学校非公式サイト」は全体の2%に過ぎず、この1、2年で激減したと報告書では分析しています。 群馬・静岡・兵庫の3県に関する2,010件のサイトを調べたところ、誹謗(ひぼう)・中傷の言葉が書き込まれていたサイトが50%、わいせつな言葉が書き込まれていたサイトが37%、「死ね」「消えろ」など暴力的な言葉が書き込まれたサイトが27%ありました。とりわけ特定学校非公式サイトでは、51%に個人を特定できそうな書き込みがあり、そのうち3分の2近くのサイトには実名(名字だけも含む)も書かれていました。さらに、特定学校非公式サイトにはすべてにゲームや出会い系などの有害なネット広告が載せられていました。 掲示板などでの会話は、気を付けないと誤解を招いたり、感情的なもつれがエスカレートしたりする危険性があります。不確かな情報が独り歩きしてしまうことも、よくあるようです。あわせて行われたアンケート調査によると、毎週のように書き込む生徒は回答者全体の1%程度で、書き込みを見て「自分が落ち込んだことがある」という生徒も2%程度です。しかし、裏サイトの存在を知った生徒の71%が、実際にサイトを閲覧しています。少数の心ない書き込みが、少数の生徒を標的にし、それを黙って読んでいる生徒がたくさんいる、と結果を読んだ方がよいのかもしれません。 報告書は、自分の学校の裏サイトがないか巡回をすることも「教師の任務の一環と考えるべき」だと指摘しています。しかし、特定学校非公式サイトが激減しているように、裏サイトの存在自体が見えにくくなっています。それに加えて、先生たちは仕事に追われ、時間をかけて調べることが難しいのも現状です。保護者のかたなどにも、裏サイトを見つけたら学校に知らせるなどの姿勢が求められそうです。「サイトの提供業者を含めた大人、企業の責任を真剣に考えるべきだろう」(報告書)ということは、言うまでもありません。 先頃告示された新しい学習指導要領では、各教科や道徳で、情報モラルを教えるとしています。学校と家庭が協力して、情報モラルを子どもに教えていくことも必要なのではないでしょうか。
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