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無料ソフトはMicrosoft Officeに対抗できるか

かつてMicrosoft Officeを使っていたユーザーが、IBMのSymphonyやGoogle Docsといった無料ソフトに目を向けている。(ロイター)
2008年05月09日 17時19分 更新

 米マサチューセッツ州ウェストニューベリーに住むグラフィックデザイナーのピエール・アビニョン氏(43)は海賊版愛用者ではないが、ソフトに金を使わないのが信念だ。同氏のコンピュータは、IBMのWebサイトからダウンロードした無料スイート「Symphony」のようなプログラムでいっぱいだ。

 Symphonyで行っている作業にはかつて、MicrosoftのワープロソフトWord、表計算のExcel、プレゼンテーションソフトのPowerPoint(いずれもMicrosoft Officeスイートのコンポーネント)を使っていた。

 「(Symphonyは)無料だし、非常に出がある」とアビニョン氏は言う。

 フリーソフトといえば、かつては反Microsoft思想を持って有料ソフトの代替を求める草の根運動的なものにほぼ限られていた。この運動は無数のプログラムを生み出したが、広く普及したのはLinuxなどごく一握りのみだった。

 Microsoftによると、Officeは5億人が使っているという。

 ブロードバンドインターネットの普及で新しいタイプのフリーソフトが登場している。こうしたプログラムは開発元が自社のサーバでホスティングし、文書を共有しやすくしてユーザー同士のコラボレーションを促す設計になっている。

 米Googleや、未公開企業AdventNetなどの小規模のインターネット企業がWebで無料のオフィススイートを提供している。

 ユーザーはプログラムをインストールする必要もなければ、自分のPCに文書を保存する必要さえない。

 Nucleus Researchのアナリスト、レベッカ・ウェッテマン氏によると、Webベースの無料ソフトはほとんどが、大量のメールを設定したり、高度なデータ分析を実行することはできない。しかしそのような機能を実際に使うユーザーはごくわずかだ。

 Google Docsなどの無料プログラムは、IT予算削減の手段を求める企業にとっての魅力も増しているとウェッテマン氏は言う。

 Microsoft Officeの企業向けエントリーレベル製品の価格はAmazon.comで見ると325ドル。ホームユーザー向け製品の約3倍だ。

 「ユーザーの90%はOfficeが提供している機能をすべて必要としているわけではない。90%は基本的に、表組み作成のためだけにExcelを使っている」とウェッテマン氏。

 見る目が厳しくソフトを買いたいと思わないユーザーは、Symphonyや姉妹製品のOpenOfficeに目を向けるかもしれない。OpenOfficeは非営利組織が開発したパッケージ製品で、データベースプログラムとドローソフトもセットになっている。

 Microsoft Officeのユーザーガイド数冊の著書があるコンピュータプログラマーのロブ・ティドロウ氏によると、Officeのパワーユーザーしか必要としないような機能の多くもSymphonyに盛り込まれているという。

 同氏は「IBM Lotus Symphony for Dummies」の執筆を終えたばかり。IBM製のこのプログラムを2人の子供が使っているコンピュータにインストールしたが、教会、学校、小規模企業のニーズも十分満たすことができると話す。

 「無料ソフトを使えば数百ドル、もしかすると数千ドルの節約になるかもしれない」

 Microsoftプロダクトマネジャー、カーク・グレガーセン氏の話では、Officeユーザーは購入を決める上で価格をそれほど重視しないのが普通だという。

 購入決定の要因を重要性の順に並べると、価格は8番目に来ることが調査で示されたという。

 「無料」にはマイナスのイメージもある。

 「無料だと聞いた瞬間、不安になるものだ」と話すアビニョン氏は友人にSymphonyを試すよう勧めたが、乗り換えた友人はほとんどいなかった。「『どんな裏があるの?』と聞かれるんだ」

 それでもMicrosoftはこうした製品に目を配っている。

 「われわれは競争のことを非常に真剣に考えている。そうしなければ適切な動きは取れない」とグレガーセン氏は話した。

[ボストン 8日 ロイター]

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