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燃料価格高騰のツケ

2008年05月13日

 5月、自動車燃料への暫定税率適用が復活すると同時に燃料価格が上昇し、家計の圧迫が深刻になった。

 4月の暫定税率適用停止は、期せずして物価高騰による家計の圧迫を緩和したので、大いに歓迎された。だがこの措置は1カ月で終了。世界的な原材料や農作物の高騰に苦しむ家計は、5月から数十年来の窮地にある。

 道路整備にお金がかかるのは理解できる。だが、家計の窮状に何の対策も示さぬまま従来通りの負担を強いる政策には疑問が残る。

 公共交通機関が発達している都会なら、自動車を使わないための選択肢は多い。だが、郊外の住人にとって自動車は必需品。運転回数を減らし、距離を短縮する以外に家計防衛の道はない。

 値段は高めでもハイブリッド車やディーゼル車など低燃費車への買い替えも検討課題だ。リッター当たりの走行距離を倍にできれば、家計負担は半分で済むからだ。通常の車とハイブリッド車との価格差を燃費で埋めるのに必要な走行距離は、燃料代の上昇とともに短縮される。

 だが、しょせんこの計算は燃料費の高騰が前提。消費者にとっては、燃料にお金を支払うか、自動車本体にお金を支払うかの違いであって、家計の負担増に変わりはない。

 エネルギーと原材料の確保は資源を持たない日本にとって戦略的な課題だ。燃料・原材料・食料価格高騰の影響を低減するために政府・産業界はどのような対策を講じてきたのか。戦略不備のツケを国民にまわす前に、納得できる説明から始めるべきだ。

 また燃料高の負担を家計に求めるなら、道路整備事業でどれだけ深刻なコスト削減努力をしてきたかについての説明がいる。(窯)

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