2008年05月05日

大人の日だろ

 二面ある窓の、電動シャッターを閉めるのは、よくよくのことだ。
 携帯電話の電源は切り、ただし、家の電話の子機……これだけは、念のため繋げておく。
 が、これがまた、鳴るんだ。
 何時だったのか、記憶もないが、佐川急便が2回、クロネコヤマトが2回──よくもこう、宅配があるものだ、と。
 自分で頼んだアマゾンやアスクルは苦笑。
 覚えのない、妻名義の宅配に、一人毒づく。

 でも、とろとろと。
 ひたすら、だらだらと。
 読み捨てていた週刊誌、ただし一応は最新号の中の、あまり興味も湧かなかった記事──そう、つまり、フクダ政権がどうしたらこうしたら……ほんとうにスリルのない記事を、読むともなし、活字追ったり、ふだんは滅多に開けない2階の冷蔵庫に、紀伊国屋の「ストレート・グレープフルーツ・ジュース」が冷えているのを発見して、一人で「おおう!」と喜んでみたり。

 夕刻、近隣の書店を巡るが、これは複雑な気分。
 かつては迷わず、文庫本コーナーで、手当たり次第に手に取ったものだが、今はとにかく、新刊を含めた文芸コーナー。
 近頃、詳しいですぜ。

 18:30ごろ、我が旧作のリニューアルについて話がしたいということで、エージェントである泉井嬢から呼び出されそうになる。
 だが、渋谷も新宿も、出る気はない……こんな、祝日に。
 だったらということで、泉井嬢が来ることに。
「何か要るものは?」──この問いは通常、《バーボン》《タバコ》《氷》などを指す。
 が、幸いなるかな、俺はこのはからずもの籠城にあたって、それらは完備している。
 ただひとつ、俺は、
「ファミリーマートの、スパイシーチキン」が、欲しかった。
 それを伝えた。

 予想より、かなり遅くなった泉井は、スパイシーチキンも、からあげくんも、ケンタッキーも、持っていなかった。
 が、その代わり、ロンロンで買い求めたという、やたらと色黒なカラアゲを持っていた。
 および、ジャックのハーフボトルと、ロックアイス。
 うむ──赦す。

 泉井嬢はなにやら仕事の話をしていたようだが、俺はカラアゲとバーボンにがっついた。
 すると妙に腹が減って、
「なんか食いに行こうぜ」
「カラアゲ、足りませんでした?」

 前からちょっと気になっていたガード下のパブ。
 けっこう真面目な、スペイン料理屋だった。
 間口にくらべると奥が広い。
 品書きを見ると、なんだか妙に、安い。
 俺はシェリー──ティオ・ペペを、ダブルで……邪道のオンザロックで頼み、泉井嬢は何を飲んだのだったか。
 アンチョビのスモークと、春野菜のトマト煮込み、そして海老のガーリックバターを頼んだ。
 つまりまあ、子供だましだった……。
 物量も、味も。
 そして何より、威勢だけはいいが、愛のないサービス……この街はどうやら、こういう店が多い。
 俺は急速にしらけてしまい、早々に勘定を払った。

「俺は濃いコーヒーを飲みに行くけど、君はどうする?」と言うと、
「ご一緒してもいいですか?」と泉井が言うので、とっておきの店に案内してやる。

 カップまで温められた熱いコーヒー……俺はめったに飲まない。
 が、飲むときは飲む。
 出てくるなり、取っ手をくるりと回し、本気で飲む。

 いつもは立ち寄らないコンビニエンスストアに寄り、
・見慣れないワイン(うう……やっぱりまずかった)
・500円で買える古代史の本(ああ……ひどかった)
 加えて、タコヤキを買って帰った。
posted by TAKAGISM at 23:59| Comment(0) | 休日
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