携帯電話の電源は切り、ただし、家の電話の子機……これだけは、念のため繋げておく。
が、これがまた、鳴るんだ。
何時だったのか、記憶もないが、佐川急便が2回、クロネコヤマトが2回──よくもこう、宅配があるものだ、と。
自分で頼んだアマゾンやアスクルは苦笑。
覚えのない、妻名義の宅配に、一人毒づく。
でも、とろとろと。
ひたすら、だらだらと。
読み捨てていた週刊誌、ただし一応は最新号の中の、あまり興味も湧かなかった記事──そう、つまり、フクダ政権がどうしたらこうしたら……ほんとうにスリルのない記事を、読むともなし、活字追ったり、ふだんは滅多に開けない2階の冷蔵庫に、紀伊国屋の「ストレート・グレープフルーツ・ジュース」が冷えているのを発見して、一人で「おおう!」と喜んでみたり。
夕刻、近隣の書店を巡るが、これは複雑な気分。
かつては迷わず、文庫本コーナーで、手当たり次第に手に取ったものだが、今はとにかく、新刊を含めた文芸コーナー。
近頃、詳しいですぜ。
18:30ごろ、我が旧作のリニューアルについて話がしたいということで、エージェントである泉井嬢から呼び出されそうになる。
だが、渋谷も新宿も、出る気はない……こんな、祝日に。
だったらということで、泉井嬢が来ることに。
「何か要るものは?」──この問いは通常、《バーボン》《タバコ》《氷》などを指す。
が、幸いなるかな、俺はこのはからずもの籠城にあたって、それらは完備している。
ただひとつ、俺は、
「ファミリーマートの、スパイシーチキン」が、欲しかった。
それを伝えた。
予想より、かなり遅くなった泉井は、スパイシーチキンも、からあげくんも、ケンタッキーも、持っていなかった。
が、その代わり、ロンロンで買い求めたという、やたらと色黒なカラアゲを持っていた。
および、ジャックのハーフボトルと、ロックアイス。
うむ──赦す。
泉井嬢はなにやら仕事の話をしていたようだが、俺はカラアゲとバーボンにがっついた。
すると妙に腹が減って、
「なんか食いに行こうぜ」
「カラアゲ、足りませんでした?」
前からちょっと気になっていたガード下のパブ。
けっこう真面目な、スペイン料理屋だった。
間口にくらべると奥が広い。
品書きを見ると、なんだか妙に、安い。
俺はシェリー──ティオ・ペペを、ダブルで……邪道のオンザロックで頼み、泉井嬢は何を飲んだのだったか。
アンチョビのスモークと、春野菜のトマト煮込み、そして海老のガーリックバターを頼んだ。
つまりまあ、子供だましだった……。
物量も、味も。
そして何より、威勢だけはいいが、愛のないサービス……この街はどうやら、こういう店が多い。
俺は急速にしらけてしまい、早々に勘定を払った。
「俺は濃いコーヒーを飲みに行くけど、君はどうする?」と言うと、
「ご一緒してもいいですか?」と泉井が言うので、とっておきの店に案内してやる。
カップまで温められた熱いコーヒー……俺はめったに飲まない。
が、飲むときは飲む。
出てくるなり、取っ手をくるりと回し、本気で飲む。
いつもは立ち寄らないコンビニエンスストアに寄り、
・見慣れないワイン(うう……やっぱりまずかった)
・500円で買える古代史の本(ああ……ひどかった)
加えて、タコヤキを買って帰った。
が、これがまた、鳴るんだ。
何時だったのか、記憶もないが、佐川急便が2回、クロネコヤマトが2回──よくもこう、宅配があるものだ、と。
自分で頼んだアマゾンやアスクルは苦笑。
覚えのない、妻名義の宅配に、一人毒づく。
ひたすら、だらだらと。
読み捨てていた週刊誌、ただし一応は最新号の中の、あまり興味も湧かなかった記事──そう、つまり、フクダ政権がどうしたらこうしたら……ほんとうにスリルのない記事を、読むともなし、活字追ったり、ふだんは滅多に開けない2階の冷蔵庫に、紀伊国屋の「ストレート・グレープフルーツ・ジュース」が冷えているのを発見して、一人で「おおう!」と喜んでみたり。
かつては迷わず、文庫本コーナーで、手当たり次第に手に取ったものだが、今はとにかく、新刊を含めた文芸コーナー。
近頃、詳しいですぜ。
だが、渋谷も新宿も、出る気はない……こんな、祝日に。
だったらということで、泉井嬢が来ることに。
「何か要るものは?」──この問いは通常、《バーボン》《タバコ》《氷》などを指す。
が、幸いなるかな、俺はこのはからずもの籠城にあたって、それらは完備している。
ただひとつ、俺は、
「ファミリーマートの、スパイシーチキン」が、欲しかった。
それを伝えた。
が、その代わり、ロンロンで買い求めたという、やたらと色黒なカラアゲを持っていた。
および、ジャックのハーフボトルと、ロックアイス。
うむ──赦す。
すると妙に腹が減って、
「なんか食いに行こうぜ」
「カラアゲ、足りませんでした?」
けっこう真面目な、スペイン料理屋だった。
間口にくらべると奥が広い。
品書きを見ると、なんだか妙に、安い。
俺はシェリー──ティオ・ペペを、ダブルで……邪道のオンザロックで頼み、泉井嬢は何を飲んだのだったか。
アンチョビのスモークと、春野菜のトマト煮込み、そして海老のガーリックバターを頼んだ。
つまりまあ、子供だましだった……。
物量も、味も。
そして何より、威勢だけはいいが、愛のないサービス……この街はどうやら、こういう店が多い。
俺は急速にしらけてしまい、早々に勘定を払った。
「ご一緒してもいいですか?」と泉井が言うので、とっておきの店に案内してやる。
が、飲むときは飲む。
出てくるなり、取っ手をくるりと回し、本気で飲む。
・見慣れないワイン(うう……やっぱりまずかった)
・500円で買える古代史の本(ああ……ひどかった)
加えて、タコヤキを買って帰った。