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【滋賀】イチモンジタナゴ増やそう 湖北 放流へため池清掃2008年5月13日 絶滅の恐れのあるイチモンジタナゴを守り、増やそうと、湖北町上山田の和泉神社にあるため池で、市民団体「滋賀タナゴネット」と地域住民が協力して、タナゴ放流のための取り組みが始まった。 十一日は計二十人が参加し、ため池の水抜きをした。タナゴの成育に適した環境に整えるため、たも網などで外来魚のブルーギル二百七十匹を捕まえて駆除し、水底にたまった泥を消防用ポンプで放水し流し出した。コイやフナは、近くの別のため池に移した。 今後は一カ月ほど池干しをし、日本魚類学会のガイドラインに基づき、放流計画を進める。 イチモンジタナゴは全長四−六センチになるコイ科の魚。県内や濃尾平野などに生息する。「ごく近い将来、絶滅の危険性が極めて高い」とされる国の絶滅危惧(きぐ)種(1A類)。二〇〇七年五月に県の希少野生動植物種に指定され、県内での捕獲が禁止されている。 二〇〇〇年ごろに湖北町内のため池で生息が確認されたが、年々環境が悪化。〇四年からタナゴネットが池の環境保全と、増殖のための候補地捜しに努めてきた。 タナゴネット事務局長の北島敦也さん(29)は「地域の宝物にしてほしい。ここを身近な水環境を復元する“とりで”とし、将来は琵琶湖にも放流したい」と意気込んでいる。 (近藤歩)
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