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【訪問介護の今(下)】賃金、人間関係…ヘルパー続けることの意味は (2/2ページ)
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時間給で働くヘルパーは、担当するお年寄りが入院したりすると一気に仕事が減り、給与に直結する。同センターの調べでは、訪問介護員の平均時給は1140円と一般の介護施設職員869円に比べて高い。しかし月給となると、介護施設職員の16万8200円に対し、訪問介護員は14万4700円と逆転してしまう。「安定収入」を求め、施設に就職するケースも多い。
■最後の頼みは利用者の「気持ち」…
ヘルパーを辞める理由は収入だけではない。やる気がある熱心な人ほど、仕事内容が限られるヘルパーから、看護師など別の仕事を目指す。
「ヘルパー1級の資格にはメリットがない。そのため、2級の次には介護福祉士などを目指す人が多い。だが、取得にはお金がかかり、実務経験がないと試験を受けられないなどハードルは高い」(先の男性)
ヘルパーとして仕事に魅力ややりがいを感じられないことが、離職率増加につながっていく。
〈仕事中に利用者さんが誉めてくれた。『(入浴介助は)あんたさんが一番うまいよ』って。ふたりっきりのときにコッソリそう言ってくれた。なんかまだ頑張れる気がする〉
「ホームヘルパー井戸端会議」には、少ないながらも、こうした前向きな書き込みがみられる。
それは裏返せば、ヘルパーが置かれている現状が「気持ち頼み」の過酷な現場であることを意味している。(道丸摩耶)