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【訪問介護の今(下)】賃金、人間関係…ヘルパー続けることの意味は (1/2ページ)
このニュースのトピックス:介護
■〈辞めたい〉 専門サイトにあふれる愚痴
〈も〜疲れたよ。人当たりが強い人ばかり。丸く言えば円滑に収まるのに、なんでそんなにエラそうなんだろう〉
〈使い捨てだから、辞めていくのを待っているみたい。人手が足りないから休めない。辞められない〉
〈夜中3時にインスタントラーメンを作ってといわれたり、背中がかゆいと30分も背中をかかされた。もう辞めようかな〉
ホームヘルパーが集うインターネットのサイト「ホームヘルパー井戸端会議」に設置された掲示板は、ヘルパーからの切実な書き込みであふれている。
「ヘルパーは、事業所に寄らずに介護先と自宅を往復するケースが多く、孤独感にさいなまれている。仕事上の悩みを話す環境として、気軽に愚痴を言える場所を作りたかった」
サイトを運営するtoto職人。さん=ハンドルネーム=は、不特定多数が利用できるネットの掲示板に愚痴を書き込む場所を設置した理由を話す。
サイトには1日平均500人が訪れ、活発な意見交換をしている。
■高い離職率 安定収入には程遠く
「せっかく戦力になったのに、その途端に辞めてしまう。その繰り返しで、採用側の徒労感はぬぐえない」
神奈川県内の介護事業所の男性(29)は、ため息をつく。
ヘルパーを取り巻く諸問題の中で深刻となっているのは、離職率の高さだ。
介護労働安定センター(東京都文京区)の平成18年度の調査では、訪問介護員の1年間の離職率は15%。そのうち、勤続1年未満は37%を占める。訪問介護員の離職率が30%を超える事業所も25%あった。
男性は、その主な原因として賃金の安さ▽ヘルパーの仕事内容▽人間関係−の3つを挙げる。
「給料が安いため家族を養っていくことができない。この業界では『寿退社』をするのは男性が多いんです」