北京五輪(8月8〜24日)に合わせ、日米中など6カ国の気象機関が7月24日から1カ月間、それぞれ北京周辺の天気を予測し結果を比較する。00年のシドニー五輪で初めて実施され、日本は今回が初参加。順位付けはしないが予報や分析結果は公表される予定だ。予報が難しいとされる北京を舞台に、各国機関が日ごろの研究の成果を「競演」する。
世界気象機関(WMO)の研究開発プロジェクトの一環。日本の気象庁気象研究所のほか▽米環境予測センター▽中国気象科学院▽カナダ気象局▽オーストリア気象地球力学中央研究所▽豪州気象局研究センター−−など6カ国の計11機関が参加する。
北京市周辺の天気を6時間先まで予測する部門と、北京市を含む東西約1400〜1700キロ、南北約1700キロにわたる地域を対象に6〜36時間先まで予測する部門の2部門で実施。いずれも短期予報で、中国の気象観測網などから提供される同じデータを基に実施する。日本の気象研究所は6〜36時間の部門に参加し、スーパーコンピューターを使って天気を予測する。
北京市の気候統計(80〜01年)によると、五輪期間中の平均最高気温は29.9度。35度を超す猛暑日も珍しくなく、07年8月9日には一部地域で39.8度を記録した。突発的な雷雨が4日に1回以上発生するなど、予報しにくい天候だという。
気象研究所予報研究部の斉藤和雄・第2研究室室長は「週間予報などに使う予測手法の『アンサンブル予報』が、翌日など短期予報にどの程度活用できるかを試す。的中率の高い予報手法を分析し、予測技術向上に生かしたい」と話している。【樋岡徹也】
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