渋谷区の妹殺害、兄に懲役17年求刑
東京・渋谷区の歯科医の自宅で兄が妹を殺害し、遺体を切断した事件の裁判で、検察側は兄の武藤勇貴被告に対し、懲役17年を求刑しました。 <妹は女優になるという素晴らしい夢を・・・、兄である僕の手で命を奪われ、最悪の方法で踏みにじられた。一生をかけて妹を弔いたい>(武藤勇貴被告) シャツのボタンを一番上まで閉め、青白い顔で法廷に現れた元予備校生の武藤勇貴被告(23)。おととし、東京・渋谷区にある歯科医の自宅で妹の亜澄さん(当時20)を殺害、遺体をバラバラに切断したとして、殺人などの罪に問われています。 裁判では勇貴被告の精神鑑定が行われ、遺体切断時は責任能力が問えない心神喪失状態にあり、殺害時も限定的な責任能力しかなかったという結果が出されています。 12日の裁判で検察側は、「切断した遺体を隠すなど犯行前後の行動は合理的で、鑑定結果は全く信用できない」と指摘。「完全な責任能力があった」とした上で、「遺体の一部を切りとるなど、極めて残忍な犯行だ」として、懲役17年を求刑しました。 これに対し弁護側は、「殺害時も心神喪失状態だった可能性がある」として無罪を主張し、裁判は結審しました。最後に意見を求められた勇貴被告は・・・。 <天国にいる妹が『アズミンのユウクンはこんなに立派だよ』と、自慢するような人間にならないといけない。そのために僕は知識、知恵、徳を磨き、暮らさないといけない>(武藤勇貴被告) そして、こう締めくくりました。 <ご静聴ありがとうございました>(武藤勇貴被告) 判決は今月27日に言い渡されます。(12日17:47)
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