« 米海軍、無人哨戒機に「グローバル・ホーク改良型」を採用 | トップページ | ブッシュ大統領令嬢、ジェンナさんヘンリー・ヘイガー氏と結婚 »

米空軍、対地攻撃機A10『サンダーボルト』延命へ。主翼を交換

2008. 5/11

ー生産前期型242機対象。2030年迄使用可能ー


070529f4127s401_4

["タンク・キラー"と呼ばれるA10"サンダーボルト"の対地攻撃力は抜群]


050407f3488s449_2


[7砲身の30ミリガトリング砲の前にイラク戦車はひとたまりもなかった]

[ワシントン発5月10日=デービッド・ハルスタム]対地近接攻撃で世界最強の攻撃機米空軍のA-10『サンダーボルトⅡ』の機体寿命延命化と装備の近代化が着々進行している。米空軍は同型機の生産前期型機242機について主翼の全面取り替えと航空電子部品の近代化等を盛り込んだ改良を決定。目下、交換する主翼に就いてボーイング社がコンピューターを使用した設計に取り組んでいる。設計の完了と取り替えの地上設備の十尾を待って2011年から本格的改良が開始される。米空軍が保有するA-10『サンダーボルトⅡ』は現在356機。イラク、アフガン戦線で地上部隊をバックアップする対地近接攻撃の主戦力。地上砲火を苦にしない抗堪性で窮地に陥った地上部隊を危機から救出してきた。2回の湾岸戦争でも機首に装備した7砲身の30ミリ『GAU-8』ガトリング砲がうなりを上げるとイラク軍の戦車部隊は次々、餌食となった。元々、冷戦時代、戦車戦力で圧倒的だったソ連・ワルシャワ条約機構軍に対抗する"タンク・キラー"として開発されたが、持てる力が証明されたのは砂漠の戦車戦だった。攻撃目標の旧ソ連が開発したT-60、T-72型重戦車でA-10『サンダーボルトⅡ』の前には鉄くずと化すだけだったと言う。米空軍は同型機の維持が21世紀前半の世界戦略遂行で不可欠と判断。しかしA-10『サンダーボルトⅡ』の生産は1980年代半ばで終了、生産前期型は主翼外板の厚さが後期型に比べ薄く8,000 時間が限界。2011年から機体の寿命に到達するため対応が求められていた。主翼の取り替えで機体の寿命の延伸を決断したのは使用限界以後、定期点検の繰り返しで補強するよりコストが全体で13億ドル節約可能との分析結果による。製造メーカーのフェアチャイルド・リパブリック社が業界再編で吸収合併され担当技術者の不足で経験豊富なボーイング統合防衛システム部門に委ねられることになった。主翼の交換と平行してA-10『サンダーボルトⅡ』のアビオニクス、先進爆弾搭載機能等、攻撃能力が格段に改善されると言う。1980年代に製造した生産後期型100機は主翼の外板が厚く2030年迄現役に留まる構造強度が保証されている。

            写真提供:米空軍


海外航空ニュースヘッドライン |