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日本語が必修! モスクワの一部公立小中高校 領土問題とは別に高い関心
このニュースのトピックス:言語・語学
【モスクワ=内藤泰朗】モスクワの一部公立小中高校でこのほど、日本語が初めて第2外国語の選択必修科目となり、日露関係者の間で話題となっている。領土問題を抱える日露両国の政治的な関係は冷ややかだが、市民たちの日本に寄せる関心の高さを示す出来事といえそうだ。
「タダイマー」「オカエーリナサイ(お帰りなさい)」…。モスクワ中心部にある第1239番学校小学4年生の日本語授業の一こまだ。ロシア人の子供たちがロシア語のアクセントで、たどたどしい日本語の会話を練習していた。
取材に来た記者に「スシガスキデス」「アニメガスキデス」などと話す子も。4年生から週2回の日本語授業が行われるほか、「桜クラブ」という日本文化の同好会もあり、在モスクワ日本人学校の児童生徒たちと交流会も行っている。
小学5年生から仏独伊日の4カ国語の中から第2外国語を選択するが、同校では「ロシアは東西の中間にある。西側文明を取り入れ、独特な発展を遂げた日本への思いは特別です」という。
モスクワの公立校で日本語が選択必修科目となったのは昨年9月から。日露賢人会議の共同議長を務めたルシコフ・モスクワ市長が主導し、同市内の14校が「日本語必修」指定校となった。
指定校以外からも、問い合わせがあるが、小学生用の日本語教材が存在しないことや、日本語の教師陣不足などで試行錯誤が続いている。
日本大使館の文化・広報部では、こうした動きを歓迎しており、日本語教材の提供や日本語教師の研修などの支援を検討しているという。