死魚から猛毒農薬/豊見城「三角池」
四月二十三日にクロツラヘラサギの死骸が見つかった豊見城市与根の通称「三角池」(与根第一遊水池)で採取したボラの死骸と水から、猛毒の有機リン系農薬パラチオンが検出されたことが二日、県環境保全課の調べで分かった。パラチオンは国内では一九七一年に使用禁止になっている。農薬が遊水池に人為的にまかれたのか、周辺から流入したのか詳しいことは分からず調査中。
同課によると、水一リットル中〇・二マイクログラム(一マイクログラムは〇・〇〇一ミリグラム)、死んでいたボラのエラから一グラム中一・四二マイクログラムを検出。ボラの死因はパラチオン中毒と考えられるという。
遊水池では四月二十三日、クロツラヘラサギ一羽が死に、衰弱した二羽が保護された。ボラ六十―七十匹の死骸も見つかった。同課などは、クロツラヘラサギの死骸も分析中。保護された二羽は、当初フラフラしていたが、現在は回復に向かっているという。
クロツラヘラサギを保護した環境省那覇自然環境事務所は「パラチオンがクロツラヘラサギの死因の可能性は高いが、まだ分からない。魚の大量死は、時々あるが、使用禁止の農薬が検出されたこと自体が異常だ」としている。