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時事戦略

2008年05月12日(月曜日) 17時48分 更新

外部環境とあわせて株式市場の今後の戦略を考える

先週末の大幅下落で、株式市場の調整が意識されています。さらに今週は企業決算のピークと1−3月期GDPが発表されますので、株価とあわせて景気動向でも注目点の多い一週間となりそうです。

◇3月決算発表のピークは15日

今週は3月決算発表のピークとなります。今年のピークとなるのは5月15日で、3月期決算企業の約2割が発表を予定しているとのことです。

今週15日に集中しているのは、現在の決算開示ルールとして決算日から45日以内に発表するように東証が上場企業に要請しているからで、3月決算締め日から数えて45日目にあたる5月15日に発表する企業が多いということになります。

主力企業の決算発表はひとまわりした感はありますが、今週は13日に日立、14日にソニー、15日にみずほFG、16日に三井住友FGと大手が控えており、先週のトヨタのように、結果が株式市場全体に影響を与える可能性のある主力企業が残っています。

特に、為替やサブプライムの影響などを読む手がかりとなる輸出、金融の大手の決算ですので、大手企業の決算は注目度も高くなると考えられます。

◇週末に1−3月期のGDPが発表される

週末16日の8時50分に、1−3月期のGDP速報が内閣府より発表されます。1−3月期の実質経済成長率は、事前予想で前期比+0.5%から+0.9%程度が予想されているようです。

大方の見方では、設備投資に落ち込むが見られるものの、輸出や個人消費が堅調だったことや、改正建築基準法の影響が一服して住宅投資の落ち込みが緩やかになったことなどからプラスを保つという予想が多くなっています。GDPは2007年10−12月期が+0.9%でしたので、大きく落ち込むという見方ではないようです。

ただ、今後を強気に見ている予想はあまり見られず、次回4−6月期については弱気な見通しが多いようです。

株式市場が下がっているのであれば、大きく落ち込まないことが見直しにつながることもあります。しかし、株式市場が大きく反発したあとですので、今後の見通しが弱いとなりますと、株式市場の慎重な見方にもつながる可能性がありそうです。

◇日経平均の抵抗ライン

日経平均では、下値の抵抗ラインとして25日移動平均線(5月9日13495円)が目先の下値として見られているようです。

本日は朝方売りが先行して始まりましたが、日経平均が13540円まで下落したあと下げ渋ったことで、後場にかけてプラス圏を回復する展開となりました。

この動きからも25日移動平均線が意識されたと見られますが、あわせて5月7日の取引時間中の高値14208円から短期間に700円近くスピード調整となったことで、リバウンド狙いの買いが先行したと考えられます。

ただし、当面は25日移動平均線以外にも、13500円近辺の抵抗ラインを複数チェックしておくとよいと思われます。

前回の戻り高値である4月7日13485円、3月17日からの上昇に対する1/3押し13369円、0.382押し13246円などが重なるため、13500円近辺までの調整を待ち伏せる戦略が想定できます。

外部環境をあわせて考えますと、企業決算が一通り発表されるなかで国内景気の不透明感が残るということが今週のポイントになるのではないかと思われます。つまり、国内景気の先行きが読みにくいため、業績のよい企業にはさらに注目集まり、悪い企業は見切られるという選別が進みやすいのではないかと思われます。

したがって、株式市場全体の押し目をテクニカルポイントで考えておき、割安になった個別銘柄の中で、今回の業績発表で割安になった企業を除外すること、反対にいえば、業績が投資家に評価されて上昇した銘柄の調整を待つという戦略が考えられると思われます。

ただし、最近の株式市場は上昇も大きく、小さい押し目はリスクもありますから、リスクを抑えるとなりますと、しばらくは株式市場全体の調整を待つということになります。

その際には、今回の上昇に対して1/2押しと心理的な節目の13000円が重なるポイントがありますし、1月に株式市場が急落したときの安値12572円も大きな抵抗ラインと考えられます。

今週からは複数の戦略を用意しておいて、自分が取れるリスクの範囲で投資を考えるようにするとよいのではないかと思います。

レポート担当 市原義明


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