2008年05月10日
イヴィツァ・オシムのクロアチア紙インタビュー
少し前になりますが、5月4日のSportske Novosti紙に前日本代表監督のイヴィツァ・オシムのインタビューが掲載されました。クロアチアのメディアに対しては初インタビューになります。以下は記事の全訳になります。
完全に回復して欲しいという率直な願いと、近く迎える誕生日(1941年5月6日生)のお祝いが、カリスマ的なサッカー指導者イヴィツァ・オシムとの会話の序章となった。オシムは昨年11月中旬に煩った重い脳梗塞ののち、回復に成功している。 「その美しい願いに対して感謝するよ。誕生日に関していえば、このような年齢ではもうお祝いするものではないね。しかし、私は昏睡状態から脱出し、まさにもう一度生まれてきたかのようだ。新たな毎日をありがたく思い、敬意を払っているよ。事実、私は"別の世界"(冥界)に足を踏み入れていたからね。脳梗塞が起こった時に妻のアシマが家にいなかったならば、どのように全てが終わっていたのか誰が知るというのかね。日本の医師の皆さんに感謝している。またアシマと一緒にいつも私に付き添ってくれたアマル、イルマ、セリミールの子供たちにも感謝している。彼らの世話が無くては、回復する力を私に持てたかどうかは疑問だよ」 -世に評価された指導者は自分の容態を我々に説明してくれた。 今は随分と良くなり、日本vs.ボスニア・ヘルツェゴビナ戦も観戦したそうで。 「左腕にまだ問題を抱えているとはいえ、間違いなく良くなっている。毎日、治療とリハビリに行っているよ。とても疲れるし、消耗するけど、毎日あらゆる面で進歩するのを目に見ると、全ては楽に耐えられるものだ」 イングランド同士の戦いとなった5月21日のチャンピオンズリーグ決勝を見るため、モスクワに行くのか? そのようなニュースが新聞にも出ていたが。 「いや、そのような実験は早すぎるよ。医者は私が飛行機に乗ることをまだ許可してないんだ」 とりたてて聞く必要はないだろうが、準決勝の試合はテレビで見たのか? 「見たとはいえ、全てが私の好みに合うものではなかった。どのクラブもクオリティある選手を有り余るほど購入し、誰もが走り、全てのスペースをカバーしているが、創造性はどんどん少なくなっている。結局のところ、私の本命であり、私の好みのチームはアーセナルだ。大会の終わりにアーセナルがいないので、他のクラブに関しては私にとってどうでもいい」 ディディエ・ドログバに関しては? 「脅威の選手だし、コンクリートのような人間だ。その上にボール扱いも全て知っている。普通の人ならば、より狭いサイドだったレイナの脇には紙一枚も通らないと思うだろう。しかし、彼はGKが動けないほどのミサイル(シュート)を放った。まもなくここで彼は伝統的なキリンカップでプレーするかもしれない。日本代表、パラグアイ代表と共にコートジボアール代表も出場するんだ。日本サッカー協会はドログバの来日を保証するよう最大限取り組んでいるよ。現時点、彼以上に観客やサッカーファンを引き寄せる選手は存在しないからね」
回復が目に見えているのならば、いつ故郷へ、そして自分のスタジアム「グルバヴィツァ」へとやってくるつもりか? 「職務上は日本サッカー協会のアドヴァイザー、もしくは代表チームのアドヴァイザーの立場にある。そのような役割でユーロ2008の試合に行くつもりだ。東京からグラーツ、そしてウィーン、クラーゲンフルトというルートだよ。それから、とうとうサラエボへと足を運ぶつもりだ。とても待ち望んでいたミリャツキ川、そしてグルヴァヴィツァのある街への訪問は、完全に自分を取り戻すのを助けてくれるかもしれない。この困難な日々の中で、それは私にとりわけ欠けていたものだ」 貴方にグルバヴィツァの芝を送ろうか? 「素晴らしいアイデアだ。けれども、直ぐに私にグルバヴィツァに訪れることを希望しているよ」 ビリッチ監督にあなたが熱狂しているのは我々も知っている。ユーロで観戦予定の試合の中に、クロアチア代表の試合はあるのか? 「もちろん。クロアチア代表を見る計画はある。現在、クロアチアはヒットのチームだからね。スラヴェン・ビリッチは素晴らしくチームを構築し、彼らは隠れた本命の一つだ。間違いなくかなり先へと勝ち進むことができるだろう」 最後に、サッカーの巨匠としてサポーターを喜ばせた時代に「グルバヴィツァのシュトラウス」と呼ばれた彼が、とりわけこのように強調した。 「私の健康に留意してくれた全員に宜しく伝えて欲しい。私の苦しい時に世話をしてくれ、心配してくれた全員にありがとう。彼らには計り知れないほど感謝しているよ」
posted by 長束恭行 |00:05 |
サッカーニュース |
コメント(19) |
この記事に対するコメント一覧
イヴィツァ・オシムのクロアチア紙インタビュー
ところで、何でオシムってまだ日本にいるの?
本人も息子も日本で仕事がないんだから、
早く自分の国に帰れば良いのに。。。
posted by ヘ | 2008-05-10 01:34
イヴィツァ・オシムのクロアチア紙インタビュー
冗談でも↑こんな人間が日本に居るのが恥ずかしいし、情けない。本当に哀れだと思う。
posted by k | 2008-05-10 01:40
イヴィツァ・オシムのクロアチア紙インタビュー
>職務上は日本サッカー協会のアドヴァイザー、もしくは代表チームのアドヴァイザーの立場にある。
これが読めないなんて
ぶ・・・文盲だ・・・
posted by 曾 | 2008-05-10 02:35
イヴィツァ・オシムのクロアチア紙インタビュー
オシムファンのものです。
貴重な情報ありがとうございました。
とても楽しく読ませてもらいました。
posted by SAME | 2008-05-10 06:37
イヴィツァ・オシムのクロアチア紙インタビュー
貴重な情報、ありがとうございます!
日本のメディアにはなかなか語れないと思いますので。
え~っと、どの国にもコドモ(←精神年齢)も寂しくてむしゃくしゃしてるアホもたくさんいるのは、ご存じと思います。
どうぞ全く気にされませんよう。
では、またよろしくお願いします。
posted by S | 2008-05-10 07:57
イヴィツァ・オシムのクロアチア紙インタビュー
岡田解任してまたオシムが監督やってくれんかなあ・・
最近代表の試合見る気しないのよ。
posted by jj | 2008-05-10 09:15
イヴィツァ・オシムのクロアチア紙インタビュー
>>「その美しい願いに対して感謝するよ。」
すごく素敵な言葉だと感じました。オシムさん、訳者さん、こんな素敵な言葉を紡ぎだせるなんて、 Bravo!!
posted by ryu.higa | 2008-05-10 09:31
イヴィツァ・オシムのクロアチア紙インタビュー
いつもありがとうございます。
渡航許可が下りますように。
posted by 0205 | 2008-05-10 12:25
イヴィツァ・オシムのクロアチア紙インタビュー
いつもありがとうございます。代表でのオシム監督のチーム作りの過程に注目し楽しみにしていたのですが、このような形で退任して残念です。
ユーロ、ビリッチクロアチア楽しみなチームのひとつなので応援してます。
posted by プラニッチOranjeファン | 2008-05-10 17:48
イヴィツァ・オシムのクロアチア紙インタビュー
賞味期限切れという言葉は悪いけど、良くも悪くも過去の人というのはあたってるかな。
彼はとても大きな影響を日本サッカーに与えたし、我々も多くのことを学んだと思うけど、彼はもう第一線に戻ってくることはないだろうし、これ以上さらに影響を与えることもないだろうから。
もっと学べることもあったと思うが、もうそれはかなわなくかったし、それが変わることもない。残念ながらノスタルジーをそそるような存在になってしまったね。
posted by 残念 | 2008-05-11 01:17
イヴィツァ・オシムのクロアチア紙インタビュー
コドモにはオシムの言葉は分からないようなので無視して下さい。
posted by ほんと残念 | 2008-05-11 04:22
イヴィツァ・オシムのクロアチア紙インタビュー
学ぶね…。
前から思ってた事だけど、オシムを崇拝してる人って何に惹かれてるの?私から見るとトルシエみたいに変わった事をやる訳でもなく、戦術的な事では何も珍しくもないごくごく普通な事をやってるし(練習は変わってたけど)。ジーコみたいに日本人の弱点である90分間でのゲームコントロールや試合でのコミュニケーション不足の改善に取り組んでいたわけでもないし(出来ませんでしたけど)。
まぁ、よく言葉に惹かれるっていう人もいるけど…私から見るとただ小難しく話してるだけの偏屈爺さんにしか見えないし。それでも、試合毎に波が少ないのを見ると人身掌握術に長けているのは分かるけど…。それを得意としてる監督ならいるでしょ他にも。一体全体何にご熱心なの?
posted by つれずれ | 2008-05-11 19:23
イヴィツァ・オシムのクロアチア紙インタビュー
>>つれずれ
貴方に答える気は全くないし、そもそもこのコメント蘭で問うような話題ではありません。
TPOをわきまえて下さいね。
というか、常識を持ち合わせていないガキは書き込まないでね^^
posted by 通りすがり | 2008-05-12 06:30
イヴィツァ・オシムのクロアチア紙インタビュー
心から貴方の無事を祈ってます。
心安らかに、故郷の土を踏まれんことを。
posted by 投稿者に感謝 | 2008-05-12 08:29
イヴィツァ・オシムのクロアチア紙インタビュー
本気でユーロ行く気か?
血液の病気は気圧の変化に弱いから止めて欲しい。
ファーストクラス&看護士付きでも不安だ。
アーセナルしか興味ないよ、っていうのはオシムらしいね。
posted by | 2008-05-12 11:42
イヴィツァ・オシムのクロアチア紙インタビュー
オシム氏が日本サッカーに与えた功績を考えれば、私達は感謝してもし足りないはずです。
監督としての能力に不満があるにしても、ご自分の命をかけて日本サッカーのために尽力なされた御仁に対して、払わなければいけない敬意というものがあるでしょう。
posted by いい話ですね。 | 2008-05-12 12:03
イヴィツァ・オシムのクロアチア紙インタビュー
千葉見てたからオシムの能力に不満なんてないですよ。ただ、代表に関して言えば何もしてないのでは?これから面白い事を見せてくれるのか!?って時に倒れられたのでしょう。なのに、まるでスーパーな事(日本サッカーの長年の課題である、アッタキングサードでの根詰まりを解決したとか)でも成し遂げたのような崇拝ぶり…。で、その惹かれる部分が私には見えないので質問したら、功績とか実に分かりにくい返しにガキ扱い…。オシムって絶対神??なんか怖いわぁ~。
最後にトルシエにしてもジーコにしても体調崩してます。オシムだけではありません。>いい話ですね。さんは、トルシエやジーコにも敬意を払ってましたか?もし、払ってたのならごめんなさい。
管理人さん失礼しました。
posted by つれずれ | 2008-05-12 18:37
イヴィツァ・オシムのクロアチア紙インタビュー
毎度翻訳ありがとうございます。
オシムさん飛行機搭乗は無茶やない?(笑)
しかし自分の立場を理解してらっしゃる。
>>私から見るとトルシエみたいに変わった事をやる訳でもなく
を?
>>ジーコみたいに日本人の弱点である90分間でのゲームコントロールや試合でのコミュニケーション不足の改善に取り組んでいたわけでもないし
ををを???
誰かこれ訳してくれや。
まさかクボタケじゃないだろなぁ。
posted by 全訳ありがとうございます | 2008-05-12 18:45
イヴィツァ・オシムのクロアチア紙インタビュー
>>オシムって絶対神??なんか怖いわぁ~。
>>成し遂げたのような崇拝ぶり
それはナイナイ(笑)印象操作?
言葉の節々にそれを感じます。
各監督の好みでしょう?
オシム好きに「なんで好きなの?」て問うても。
オレ、ジミヘン好きなんだけど、ストーンズ好きに
えらく言われたよ、「ジミヘン気色悪い」って!
ちと違うかもしれんけど、このコメ欄で懐疑的に
「オシムのどこがええのぉ?」問うても「なんやコイツ(-_-)」で。
posted by 福島瑞穂 | 2008-05-12 19:28