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三菱東京UFJ―セブン銀、ATM取引障害2万件

2008年05月12日12時56分

 三菱UFJフィナンシャル・グループは12日、傘下の三菱東京UFJ銀行のカードを使ったセブン銀行での取引の一部で障害が生じた、と発表した。午前11時55分には復旧したが、旧東京三菱銀行の支店で作ったカードによる現金の引き出しと残高照会サービスが約2万件できなかった。

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三菱東京UFJ銀行のシステム障害で、取引の一部に障害が発生したセブン銀行のATM=12日、東京都千代田区丸の内、竹花徹朗撮影

 東京三菱銀行とUFJ銀行が06年1月に合併した後に発行されたカードについても、旧東京三菱系の店舗で作ったカードには障害が発生した。旧2行のコンピューターシステムを統合する新システムを12日から本格導入したが、プログラムの一部に不具合があった。

 セブン&アイ・ホールディングス傘下のセブン銀行は、コンビニエンスストアを中心に現金自動出入機(ATM)を設置。多くの銀行のカードで預金の引き出しなどが出来る。最近は空港や商店街にも積極的にATMを設置しており、12日現在で約1万3千台を展開している。

 三菱東京UFJ銀行のカードは、旧東京三菱と旧UFJのATMで提供するサービスの内容や営業時間帯が一部異なっている。不便を解消するため、同行は「今年最大の経営課題」と位置づけて巨額の資金を投じ、08年末までに旧2行のシステムを統合して一本化する計画を立てている。

 世界でも最大規模となるシステム統合は12日から本格的にスタート。10日午後9時から全国のATMを一斉に止めて切り替え作業を行い、12日午前7時から稼働した。この日は、第1段階として旧東京三菱の全店舗約250店で新システムに切り替わった。7〜12月に順次、旧UFJ約420店で新システムに移行する予定だが、計画は初日からつまずいた。

 三菱東京UFJのシステム統合を巡っては2年前、02年のみずほフィナンシャルグループのシステム障害の再現を恐れた金融庁から「準備不足」を指摘され、合併が3カ月遅れる原因にもなるなど、常に経営課題となってきた。

 金融庁は、同行からシステム障害の状況などについて報告を受けている。事態が落ち着き次第、障害の実態と原因および再発防止策などについて、銀行法に基づく詳細な報告を求める方針だ。

 三菱東京UFJ銀行は「ご迷惑をかけて申し訳ない」とコメントした。

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