靖国を訴えた
高砂族国会議員とは?
文学博士・台湾研究家
前田一可
今年二月十七日、台湾原住民枠で選出されている台湾女性国会議員の高金素梅が前面に立ち、小泉首相の靖国参拝で苦痛を受けたと、損害賠償を求める訴訟を起こした。「なぜ高砂族が?」。私に限らず、多くの日本国民はいぶかしく思った事であろう。
この件について、『産経新聞』八月十五日の「アピール・靖国神社崇敬こそ日本人の良識」でも、「台湾人は日本の過去に理解ありと見られてきただけに、衝撃を与えた。」とあるが、この原告と台湾事情及び日本人左翼等の背後関係を知れば、何ら衝撃を受けるに値しないものである事がわかる。
高金素梅の素性であるが、父親は戦後、蒋介石と共に大陸から台湾へ逃げ込んだシナ人(外省人)の兵隊であり、母親は台湾の高砂族(部族はタイヤル族)である。数年前までの台湾では、法的に子供の戸籍は父親に属するものとなっていたから、生来彼女の戸籍はずっとシナ人(外省人)としてシナ大陸にあったはず。近年の法改定で、母親の籍への変更が可能となった。歌手・タレントとして顔と名前の売れていた彼女「金素梅(チン・スーメイ)」は、山地原住民籍を取り、「高金素梅」となって当選し易い原住民枠の選挙に打って出て当選した。選挙への便宜上、シナ人から原住民となってその枠を利用し、さらにその獲得した地位を悪用し原住民として靖国訴訟に出た。実に罰当たりと言うべし。
彼女は母親の教育的影響を受ける事がほとんどなかったのだろう。心は全くシナ人のものと見える。大陸から台湾に渡ったシナ人は抗日思想が根強く、特に国民党独裁時代の台湾では、学校でも日本に敵愾心を煽るような教育を常に施し、マスコミでも何かにつけて抗日・侮日をむき出しにしていた。彼女もシナ人としてその影響下に育ったのであろう。
ここではっきりさせておくべきは、この靖国への訴訟は、決して高砂族とか台湾人の一般的な考え方を代表するようなものではなく、一部の跳ね上がりシナ人のものと理解すればいい。
『正論』九月号に表れた林健良氏論説「靖国を訴えた台湾の女性国会議員」には、訴訟に至る経過が詳しく検証されている。この中で、「裁判の原告には百人以上の日本人も含まれているが、その中には中核派、労働党、革命的共産主義者同盟のメンバーや、これら極左グループと提携する左翼知識人らが名を列ねている。」とあり、日本左翼との結託が明白である。日本左翼や反靖国派は反靖国闘争の為に、高砂族や台湾人も利用しようと図った事がわかる。
高金よ、次はゆめゆめ中共の政治陰謀に利用される事なかれ。日本左翼は親中共である事を忘れるな。
また、台湾側原告の何人かの住所は台湾にはないデタラメの住所であり、原告自体が実在の人物かどうかも疑わしいという。さらに、多数の原告は訴訟の事実も知らされず、ただ日本政府から賠償金がもらえると言われて名前を出したのであり、またある者は高金素梅の集会に参加しただけで名前を使われているという。また何人かの原告は戦後になって大陸から台湾に逃げのびた者で、靖国とは何ら無関係の経歴だという。かくの如く、原告に名前を列ねる者もいいかんげんなら、これを正規の訴状として受け付けた裁判所にも問題が残ろう。
高金素梅の人物について、林健良氏の述べる所によれば、彼女はタレント時代以来、幾多の不倫スキャンダルで名前を売って、マスコミから「スキャンダル・クイーン」のあだ名をつけられていた。その傾向は議員になってからも一向に衰えず、マスコミは「情欲に溺れる国会議員」と呼んだという。
いずれにしても、歴史を捏造する偽高砂族・高金素梅等のこの暴挙は、大東亜戦争に志願した真の高砂族勇士の誇りを逆なでするものであり、断じて許せるものではない。