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【コラム】創業100年以上の伝統企業になるには(下)

 ところで企業が生き残るための何か特別な秘訣(ひけつ)のようなものはあるのだろうか。ウォルマートとその最大のライバルだったアメス百貨店の事例はその好例だ。地方中小都市でのディスカウントストア戦略で急成長を遂げたアメスは、ウォルマートの創業者であるサム・ウォルトンが、「経営のノウハウと営業のやり方を参考にしなければ」と羨望(せんぼう)の対象であることを明確にしていた。1972年から86年の株価上昇率は市場の平均の10倍を上回っていた。

 ところがアメスは現在存在すらしていない。1988年に別の企業を無理して買収したことから、経営資源が分散してしまった上に、経営者の交代にも失敗したからだ。逆にウォルマートは事業分野を一点に集中し、また無理のない漸進的な成長戦略で、売上高基準で世界最大の企業にまで成長した。

 米国のニューコア鉄鋼とベツレヘム鉄鋼も同様だ。1965年に破産直前となったニューコアに比べて外見では100倍以上も大きかったベツレヘムは、放漫経営と内部での対立が原因でやはり消え去ってしまった。一方ニューコアは骨を削るような革新と内部の結束で、昨年は世界500大企業ランキングで151位にランクインした。毎年の決算報告書に1万8000人の社員全員の名前を記載しているこの企業は、41年連続で利益を出し続けている。

 「企業間の競争は言い訳にすぎない。企業の盛衰を決めるのは外部の環境ではなく、内部での対応と結束力だ」

 『ビジョナリー・カンパニー・2』を書いた経営学者のジム・コリンズ氏の指摘だ。GEグループのジャック・ウェルチ元会長は、「危機に直面したときに、危機を克服するためのワクチンを開発できたかどうか、これが興亡のカギだ」と語った。

 100年を超える長寿の栄光を夢見る韓国の企業が、心に刻んで実践すべき教訓ではないだろうか。

宋義達(ソン・ウィダル)産業部次長待遇

朝鮮日報/朝鮮日報JNS
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