11年の九州新幹線全線開業に合わせて整備する、熊本駅西口駅前広場の設計審査会が10日、県庁であった。1次審査を通過した5組の中から東京都の佐藤光彦建築設計事務所のデザインが選ばれた。
西口駅前広場は、くまもとアートポリスプロジェクト事業として熊本市が整備する。1~3月に設計案を公募。海外も含めて205件の応募があり、1次審査で5件に絞った。審査会は公開であり、市民や学生ら100人以上が見守る中、設計した5組が模型などを使って説明した。
最優秀賞に選ばれた佐藤事務所は、駅舎からバスロータリーまでの空間を連続させた、半屋外の公園のような広場を提案した。鉄製の白い天井と、熊本城の外壁をイメージした黒い壁が特徴だ。
東口広場は雲のような大きな屋根をかけて整備することが決まっている。審査委員長の伊東豊雄くまもとアートポリスコミッショナーは「壁がなく、水平の屋根で構成する東口に対して、西口は壁がシンボルになり、おもしろい対比になる。全国的にも例のない提案だ」と評価した。
事務所代表の佐藤光彦さん(45)は「責任を感じている。みんなに愛される広場を作りたい。市民の意見を積極的に取り入れたい」と話した。【伊藤奈々恵】
毎日新聞 2008年5月11日 地方版