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東大野球部強化へ「青田買い」 OBら受験指導

2008年05月11日16時01分

 東京六大学リーグで20季連続最下位とワースト記録を更新中の東京大学硬式野球部が「浮上計画」を進めている。野球がうまくて成績優秀な高校生に勉強を教え、東大入学、野球部入部へ導く作戦を今夏にも始める。

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 OB会が中心となり、検討している計画の柱は「勧誘」と「受験指導」。過去に東大合格者のいる学校はもちろん、「文武両道」が多い選抜高校野球大会の21世紀枠出場校などをリストアップ。関東、近畿など地域ごとに担当OBを置き、東大を目指す人材を把握する。高校の監督や部長にもパンフレットを渡し「東大野球部」を売り込む。

 野球部に興味を示した高校生には、OBや現役部員が出向いたり、メールで連絡を取り合ったりして受験のコツを伝授する。野球部の工藤悟主務は「経験に基づいた勉強の仕方などを伝えられると思う。定期的に接触を続けることで、部への興味も維持できる」。拠点となる塾を設け、直接勉強を見る案もある。

 リーグ内の私学5校では、かねて甲子園出場経験者が多い明治大、法政大に続き、早稲田大はスポーツ推薦入試を積極的に使い、慶応大は付属高が安定した選手の供給源だ。昨年、唯一勝てた相手の立教大も今年度からアスリート選抜入試を始めた。

 一方、東大は部員59人(女子マネジャー5人含む)のうち、甲子園経験者は1人。今季も開幕から6連敗中で、2ケタ失点が5試合と実力差は広がるばかりだ。OBで、東京六大学野球連盟の田和一浩理事は「組織的に動き、差を縮める努力をしなくては、離される一方」と嘆く。

 東京六大学野球は早大の斎藤佑樹投手の存在もあり人気を取り戻しつつある。「東大が強くなれば、もっと盛り上がる」と工藤主務。近い将来、赤門旋風が神宮に巻き起こるか。(山下弘展)

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