Driver

May 11, 2008

平衡と不平衡 2

 前回の書き込みでは、それぞれの出力が同じになるような
テスト回路を使いましたが、通常は不平衡の入力信号をSと
すると、平衡では、Sと(−S)が入力信号になります。

 差動アンプのゲインをGとすると、

 平衡接続では S−(−S)*G=2SG が差動アンプ出力

 不平衡接続では S-(0)*G=SG が差動アンプ出力
(不平衡の反転側がGNDに接続なので入力は0になります)

 平衡と不平衡の音質を比較する場合は、この差(6dB)を
厳密に調整して比較しないと正確な比較とはいえません。


 平衡伝送のご利益

 伝送中にノイズNが加わるとS+N,と-S+N しかし
 {(S+N)-(-S+N)}*G=2SG でNが合成時に理論的には
消えてくれます。あくまでも+Nのノイズですが。


 平衡伝送の不利な点

 送り出し側は位相反転回路と2組の特性の揃ったアンプ
が必要になり、これは一個のアンプすむシンプルな不平衡伝送が
圧倒的に有利です。
(DACが平衡信号を出力してくれる場合は位相反転回路は不要です)

 これらを総合的に判断して、平衡、不平衡を選択することに
なります。プロの現場では間違いなく平衡伝送になるでしょう。

 私の場合、そもそも平衡出力を供えた機器を持っていません。^^;



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May 10, 2008

平衡と不平衡

平衡入力と不平衡入力を比較してみました。
ドライバーはSTAXに似ているとおもわれる
High-ampのTRタイプです。

平衡入力対応機種ですが、下図のA,B間をショート
すると不平衡入力に設定されます。

00





この方法では出力レベルが同じになって比較が容易です。

以下に結果をUPしますが、どのデータも両方式の結果が
ほぼ重なっていて違いを確認できないほどです。

周波数特性
01





sin1kHz
02





最大出力
03





10kHz矩形波
04





1kHzの歪率も
Total Harmonic Distortion: 0.004992%
Total Harmonic Distortion: 0.004991%
という結果です。

伝送時のSNは平衡が有利ですが、入力後のドライバー
内での違いは気にすることはなさそうです。





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May 09, 2008

ラジオ技術5月号 2

ラジオ技術5月号の6FQ7_SRPPドライバをシミュレートしました。
実機の性能ではありません。あくまでもシミュレート結果です。
負荷として120pFを接続してあります。

周波数特性
かなり広帯域です。2〜300kHzにピークがでました。
AC





Sin 1kHz(100Vpp,平衡出力では200Vpp)
歪率1.13%(平衡出力では0.03%)、2次成分が多いようです。
sin 1kHz





最大出力
Clip





140Vppの矩形波応答
10kHz





矩形波応答は周波数特性のピークからも予測できる
ような波形になりました。



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April 26, 2008

歪率 0.000292% -2

  
ZDR





 オペアンプは理想オペアンプです。



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真空管出力の回路

 真空管をつかったドライバーは、ほとんどが抵抗負荷のシングル動作を2回路使用した平衡出力になっています。負荷をトランジスタによる定電流回路とした豪華版もありますがこれもA級シングル動作の2回路という形式は同じです。

single




通常のA級シングル


c負荷




定電流負荷のA級シングル
カスコード接続の例もあります。


 シングル動作以外では、森川氏の 6BX7_SRPP も時々話題になります。自作という高いハードルがありますが。そのほかにも製作例はあると思いますが
SRPP





6BX7のSRPP

 以前 12AU7 の SEPP を出力部だけで簡易シミュレートしました。シングル動作では破綻してしまう大出力時の矩形波の応答ですが、 SEPP では拍子抜けするほど素直な波形が表示されました。回路は SRPP よりも複雑になりますが、シミュレートならと。

sepp



さらに複雑になってしまう SEPP


10k


10kHz矩形波


 電流は通常シングル動作よりも少ない設定です。いくらか丸くなっていますが、致命的な歪みはなさそうです。30Wクラスの出力管6CA10のデータに近い波形です。

 その他のデータは wiki にUPします。

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April 24, 2008

歪率 0.000292%

Total Harmonic Distortion: 0.000292% ←spiceの出力

平衡出力をシミュレータで合成した波形の歪率です。絵に描いた餅ですが
それにしても桁が違うという感じです。

1kHz 200Vpp 負荷120pF という条件です。出力は真空管 6CG7 で負帰還
ではなく、歪みの打ち消し回路搭載です。さらに検討したうえで、wiki に upload
しますか。



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March 24, 2008

平衡入力

 スタックスのドライバーは出力も平衡になっていて入力を平衡伝送に対応させることが容易です。そして、現在は上級機が平衡入力端子を備えています。
 XLRの規格はヨーロッパ方式とアメリカ方式で端子接続が違うため、スタックスの掲示板では変換プラグの話題が繰り返し書き込まれていました。電気的には問題はなく、両規格が並存して大問題になっていなかったので気にすることは無いともいえますが。

 ところで、平衡伝送はバランス、不平衡伝送はアンバランスとも表現されますので、名前からは平衡方式がグレードが上の印象をうけます。RCA方式をアンバランスとか不平衡と表記するのは誤解を招くので、非平衡方式と書くほうがベターではないかと思います。反転増幅器と非反転増幅器のように。

 完全な平衡伝送は理論上の話で、現実は平衡伝送という方式の擬似平衡方式といえなくもない?。平衡出力回路はこだわると厄介ですが、メーカーの回路をみると、簡易型で「こんな回路でいいの?」と思う「なんちゃって回路」もみかけます。こうなると、RCA方式に、平衡出力部を追加したのが平衡出力であり、平衡出力回路で発生するひずみが付加された方式という悪口もあり得る?。

 もちろん、雑音の影響のある環境では必要不可欠な方式です。
 

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March 02, 2008

次回製作予定

 ESPがSR-X Mk2修理品とSR-Λ(無印)、ドライバーが真空管とトランスアダプターそれぞれ自作品、あとSRD-5があり、さらにドライバー用の部品が2セット分在庫があります。
 ということで必要はないのですが、真空管ドライバーのDC化用の部品を注文してしまいました。


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February 26, 2008

SRM-313

 SRM-313
 あるサイトに手書きの回路図がありました。完全なものではなく定数もごく一部だけ記入されている程度です。海外のサイトの製作例はこのあたりを手本にしているようで、構成はよく似ています。
 適当な数値をセットしてシミュレートしてみました。結果はすでにwikiにUPしたものと大きな違いはありません。これは現行機種にちかくSTAXで回路等を発表していませんのでこのブログやwikiにはUPしません。

 ブログやwikiの発表例は、STAXに了解をとっています。(問題があれば指摘をお願いしてあります)



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February 24, 2008

ドライバーの消費電力

現行ドライバーの消費電力です。

SRM-252A     4W
SRM-300     10W
SRM-323A   29W
SRM-727A   46W

SRM-006tA  49W
SRM-007tA  55W

 電力が大きくなるほど、音質のグレードは高くなります。(ウソですよ^^)
真空管のドライバーは事情が異なりますが、価格の順になってますね。
 昔パワーアンプの重量と、価格、出力を比較していた記事をみた気がする
のですが、ドライバーの大振幅時の矩形波応答をシミュレーと結果をみてい
ると現行機種の消費電力も意味のあるデータに見えてきます。

 これまでシミュレートした機種で、これは!と思った機種は6CA10をたっ
ぷり電流を流した STAX_REPORT_3 です。夏期には使えないでしょうが。今
ならストーブ代わりになりそうです。



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