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2008年5月11日

 「母の日」を前にして映画「能登の花ヨメ」が封切られた。田中美里さんが嫁、泉ピン子さんが姑役。二人が震災から立ち直ろうとする能登の人々に支えられ理解しあっていくストーリーである

よくある嫁姑の話かと早合点してはいけない。もう一人、重要な女性が登場するところがミソだ。内海桂子さん演ずる近所のおばあさんである。実の祖母ではないが、ピン子さん宅に入り込んで美里さんの祖母のごとくに振る舞う

誤解や対立が進む中で、このおばあさんに嫁と姑は救われる。やがて映画が終幕を迎えるころ、嫁と姑の間だけではなく、人間関係のあらゆる場面に、潤滑油のようなお年寄りが必要なことに気づくのだった

高齢化社会である。嫁・姑・祖母三代が並ぶ家も珍しくない。が、核家族社会は嫁姑に目が行きがちで、未来永劫に続く対立?をいたずらに作り出す風潮がなきにしもあらず。「お母さん」と「お義母(かあ)さん」は近いようで遠い。遠いようで近い

そこで「おばあちゃん」の出番である。七尾市の「花嫁のれん展」で見た嫁三代の美しい花嫁のれんを思い出す。


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